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化粧品原料に含まれる「殺菌剤」って何?
化粧品原料には、「殺菌剤」が配合されているものがあります。ここでは、化粧品に配合されている殺菌剤の目的や防腐剤との違い、主な殺菌剤の種類や効果などについて、ドクター監修のもと、詳しく解説します。
化粧品には、殺菌剤が配合されているものがあります。今回は、この殺菌剤の役割や、化粧品に使われる代表的な殺菌剤の種類をご紹介していきます。
殺菌剤とは?
「殺菌」とは、細菌やウイルスなどの微生物を死滅させること。化粧品においては、皮膚の状態に悪影響を与える皮膚上の微生物を殺して、その微生物によって起こる肌トラブルを防止・改善することを指します。
殺菌剤が配合されている化粧品には、薬用ハンドソープ、デオドラント製品、ニキビケア用スキンケア製品、フケ防止用のヘアケア製品などがあり、たとえば、ニキビ用の抗アクネ製品の場合はアクネ菌に対する殺菌剤、デオドラント製品にはにおいの原因菌に対する殺菌剤というように、製品の目的によって使用される殺菌剤が違ってきます。
しかし、化粧品に殺菌剤を配合すると、化粧品に含まれるほかの成分や、皮膚のタンパク質などと反応して、殺菌効果が低下するケースも多く、狙い通りの効果を上げるのが、なかなか難しいこともあるようです。
殺菌剤と防腐剤の役割の違い
殺菌剤と混同しやすい成分に、「防腐剤」があります。殺菌剤が、目的に合わせて、肌上の微生物を短期間で死滅・減少させるために配合されるものであるのに対し、防腐剤は、外部から入り込んだ微生物の増殖を抑え、化粧品が傷むのを防ぐために配合されます。
化粧品に含まれる主な殺菌剤
化粧品によく使われる殺菌剤には、次のものがあります。
イソプロピルメチルフェノール(表示名称:シメン−5−オール)
広範囲の微生物やカビに作用します。皮膚への刺激がほとんどなく、化粧品のほかにも、石けんや育髪トニック、デオドラント、ハップ剤(湿布)などに使われています。
塩化ベンザルコニウム(表示名称:ベンザルコニウムクロリド)
陽イオン界面活性剤の一種で、逆性石けんとして殺菌・消毒に用いられます。化粧品では、ニキビケア用の製品に配合されることがあります。
塩化ベンゼトニウム(表示名称:ベンゼトニウムクロリド)
陽イオン界面活性剤の一種で、強い殺菌作用、防臭作用があるため、シャンプー、デオドラント製品、洗顔料などに配合されます。
塩酸クロルヘキシジン(表示名称:クロルヘキシジン2HC1)
合成の殺菌剤で、「ヒビテン」とも言います。広範囲の微生物に対して、強力な抗菌作用を持ち、持続力もあります。体臭の原因物質を作りだす皮膚常在菌を抑制する目的で、ワキガ防止用のデオドラント製品に配合されたり、医薬品の消毒液、軟膏、坐薬などにも使われたりします。
グルコン酸クロルヘキシジン(表示名称:グルコン酸クロルヘキシジン)
広範囲の微生物に効き目のある強力な殺菌剤で、持続性もあるので、皮膚殺菌消毒剤などに使われます。アルコールに溶かしたものは、化粧品製造工場の衛生管理に使われます。
クロルキシレノール(表示名称:クロルキシレノール)
ブドウ球菌や大腸菌に有効で、抗菌剤入り石けんや家庭用殺菌消毒薬などに配合されています。
サリチル酸(表示名称:サリチル酸)
医薬品、化粧品、食品、お酒などの防腐剤として、広く利用されていましたが、現在はあまり使われなくなってきています。化粧品では、フケ取り用・育毛用のヘアトニックに配合されたりもします。
殺菌剤のほかに化粧品に含まれる配合成分
化粧品の中には、今回紹介した殺菌剤や、パラベンなどの防腐剤のほか、香料、界面活性剤などさまざまな成分が配合されています。
なお、最近では「無添加」をうたう化粧品が多くなっています。一般的に化粧品における「無添加」とは、旧表示指定成分でアレルギーの危険性が認められた、102種類の化粧品表示指定成分を含んでいないことを指しています。この旧表示指定成分は、2001年の薬事法改定以前に表示を定められていた成分で、石油から合成された香料や防腐剤、合成界面活性剤などが多く含まれています。しかし、旧表示指定成分でも現在は安全性の高まった成分があったり、新しく登場した成分でも安全性が不確かなものがあったりします。そのため、旧表示指定成分は意味をなしていないという見方もあります。
無添加=安心と言い切れるものではありませんので、実際にはどのような成分が配合されているのか確認してみるとよいでしょう。
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