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エラスチンのハリやキメを保つ性質と特徴

更新日:2017.11.24
公開日:2015.12.16
ドクター画像
この記事の監修者
新宿クレアクリニック 渋谷院 院長 上浦典子

エラスチンは皮膚の一部を構成する成分のひとつですが、その性質や働きについてあまりよく知らないという方も多いのではないでしょうか。正しいスキンケアのためにも、まずは基本的なことからドクター監修のもとに解説します。

エラスチンの名は、英語の「elastic:弾力・伸縮性のある、しなやかな」が語源で、日本語では弾性線維と呼ばれます。その性質や特徴、体内における働きを知ると、肌の健康についての関心が深まるでしょう。

エラスチンとは

エラスチンは線維状のタンパク質で、体内では主に、コラーゲン同士を結びつけて網目状に構成する働きをしています。構成されたものは、ゴムのように伸縮する性質があり、肌の弾力や柔軟性はエラスチンがあるからこそと言えます。表皮の内側にあり、肌の本体ともいわれる「真皮」の成分であることは知られていますが、ほかにも靭帯や血管、肺など伸縮性が必要な組織には欠かせない存在です。それぞれの組織内のエラスチンの含有率は、靭帯で78〜80%程度、動脈で約50%、肺で約20%、真皮で2〜5%程度とされています。

エラスチンは、人間だけでなく脊椎動物の多くが持つタンパク質です。にもかかわらず、水などの溶剤に溶けにくい性質を持つため扱いが難しく、あまり研究が進んでいませんでした。それが21世紀を迎えるころから急速に研究が進み、エラスチンの形成過程や性質、役割などがかなり解明されてきました。

エラスチンの特徴

エラスチンは、コラーゲン、ヒアルロン酸とともに真皮にある線維芽細胞によって生成されます。線維芽細胞は新しい組織をつくり、古くなった組織を分解して新陳代謝を促しています。ですから、活性酸素に攻撃されて線維芽細胞の働きが衰えると、肌の弾力が失われてしまうのです。

生まれたばかりの赤ちゃんの皮膚には、弾力の源であるエラスチンの量が少なく、保水力を持つヒアルロン酸の量がもっとも多いので、非常に柔らかく、ツヤのあるみずみずしい肌となります。ヒアルロン酸は歳を経るにつれて減少し、20歳ごろには生まれたときの半分程度になるといわれます。これに対してエラスチンは、成長とともに量が増え、20代半ばごろにピークを迎えます。その後、コラーゲンと同じく減少に転じ、40代をすぎるとどんどん減り、赤ちゃんのころと変わらないほど少なくなってしまいます。

エラスチンには肌のハリや弾力を保つ役割がある

先にご紹介したとおり、エラスチンは肌の真皮層でコラーゲンの線維と線維を結び付けて支える役割を担っています。コラーゲンとエラスチンで作られた伸び縮みする網の目があるからこそ、肌はハリや弾力を維持することができるのです。

また、コラーゲンとエラスチンで作られた網の目の内部には、ヒアルロン酸などを成分とするゼリー状の物質が埋められています。この構造によって、肌はしっとりとしたツヤやうるおいをキープしています。

このように肌のハリや弾力を保ち、しわやたるみを防ぐには、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の3要素が不可欠です。

エラスチンは化粧品にも配合されている

タンパク質でできているエラスチン自体にも実は高い保湿力があり、化粧品に配合されていることがあります。ただし、化粧品では美容成分が真皮層まで届かないため、肌の表面で角質層や水分を抱えこんで肌の水分量を保持する目的で使用されています。

エラスチンはもともと肌に存在する成分ですので肌なじみがよく、安心して使用することができます。エラスチンを単品で使っても保湿効果は発揮されますが、乾燥が気になる場合は、保湿のメカニズムが異なるセラミドが配合された化粧品と併用することをおすすめします。

詳しくは、『美肌の重要成分エラスチンの効果と上手な使い方』をご覧ください。

エラスチンやコラーゲンの減少・劣化を防ぐには

共に真皮層の線維芽細胞によって作られ、肌のハリや弾力、水分をキープするために欠かせないエラスチンやコラーゲン、ヒアルロン酸。しかし、加齢や紫外線、ストレスなどによって肌に活性酸素が蓄積されていくと、線維芽細胞の機能が衰え、エラスチンやコラーゲン、ヒアルロン酸の生成量も減少してしまいます。

また、30代になると加齢によってもともと肌にあったエラスチンやコラーゲンの劣化が始まり、肌はハリや弾力を失いやすくなります。また、真皮層が縮むことで、肌表面の弾力やキメも失われ、毛穴の開きやシワの原因となります。

特にエラスチンは、20代後半から少しずつ減少しているといわれています。減少をくい止めるためには、組織を生成する線維芽細胞を活性酸素の害から守り、できればその活動を促し、皮膚の新陳代謝を活発にする必要があります。

抗酸化作用のある栄養素を摂取する

線維芽細胞に悪影響を与える活性酸素を叩くには、抗酸化作用のある栄養素を積極的にとり入れることが効果的です。

抗酸化作用にある栄養素としては、ビタミンAやC、E、アミノ酸化合物のペプチド、ポリフェノールやコエンザイムQ10などがあげられます。日頃から栄養バランスの取れた食生活を送ることで、ある程度の量を摂取することができますが、食品だけでは補えないと感じるときはサプリメントを活用しましょう。

まとめ

皮膚の一部を構成するエラスチンについて、その性質や肌内部における働きをご説明しました。線維状のタンパク質であるエラスチンはコラーゲンと共に肌の奥の真皮層で網の目状の構造を作り、肌にハリや弾力をもたらすとともに、内部にヒアルロン酸などゼリー状の物質を満たすことで、うるおいをキープする役目も担っています。

しかし、エラスチンは20代後半から減少や劣化を始めます。エラスチンはコラーゲン同様、線維芽細胞で生成されているため、肌の新陳代謝を活性化させるとともに、線維芽細胞の働きを鈍らせる活性酸素の害を取り除くよう心がけましょう。

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