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紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違いとは

更新日:2016.12.09
公開日:2015.12.24
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この記事の監修者
MAクリニック心斎橋 院長 谷川知子

日焼け止めの成分には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類がありますが、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれのメリット・デメリット、日焼け止めの選び方について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の違いについて解説します。

紫外線吸収剤のメリット・デメリット

日焼け止めには大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。

「紫外線吸収剤」は、皮膚の表面で紫外線を吸収し、化学的にエネルギーに変えて放出します。そして紫外線が肌の内部に侵入するのを防ぐものです。
紫外線防御力の高い、高SPF値の製品には必ず必要となる成分です。

紫外線吸収剤のメリット

紫外線吸収剤のメリットは、紫外線を防ぐ力が強いということです。また、無色透明なので白浮きすることがなく、塗り心地もなめらかで、使い心地がよいのが特徴です。

紫外線吸収剤のデメリット

紫外線吸収剤は、防御力が高い分、肌への負担が大きいです。有機化合物であるため、人によっては刺激を感じることがあります。紫外線吸収剤が化学変化で別の物質になったときの安全性や、環境への影響も懸念される点です。また、化学変化が起こるにつれて分子が壊れるため、紫外線を防ぐ力が弱くなります。ですから、こまめに塗り直す必要があります。

紫外線吸収剤の代表的成分

国内の化粧品によく使われている紫外線吸収剤の代表的な成分としては、以下の3種類があり、紫外線吸収剤入り商品の約75%に配合されています。

t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン

長波紫外線であるUV-Aを吸収する吸収剤は数少ないですが、その中のひとつがt-ブチルメトキシジベンゾイルメタンです。UV-A吸収剤としては特に頻繁に使われます。

メトキシケイヒ酸エチルヘキシル

主に、UV-Aの次に波長が長いUV-Bを吸収します。においに特徴があり、粘り気のある液体です。日焼け止めの感触をよくするために使われるシリコン油とも好相性で、使われる頻度のもっとも高い紫外線吸収剤と言えます。

オキシベンゾン-3

UV-AとUV-Bの両方を吸収でき、高SPF値の製品に使われることが多いです。

紫外線散乱剤のメリット・デメリット

紫外線散乱剤は、肌の表面で紫外線を跳ね返すことで、紫外線が肌に当たるのを防ぐものです。

紫外線散乱剤のメリット

メリットは、有機化合物ではないので肌への負担が少ないことです。多くは「ノンケミカル」と表示されています。また、紫外線吸収剤のように化学変化を起こさないため、構造が壊れにくく効果は長持ちします。UV-AとUV-Bの両方が防げるのも特徴です。

紫外線散乱剤のデメリット

デメリットは、白浮きしやすかったりベタベタしたりなど、使用感の悪さです。粒子をナノ化することで白浮きを改善した商品も出ていますが、粒子のサイズが小さくなったことによる人体への影響はまだ不透明であるといわれています。

また、おもな紫外線散乱剤の成分である酸化チタンや酸化亜鉛は、光触媒作用(紫外線が当たることで活性酸素が発生し、菌や有機物を分解する化学変化)があるので、肌への刺激となる場合があるといわれています。

紫外線吸収剤と紫外線散乱剤はどちらがいいの?

一般的には、日焼けをしっかり防止したい場合は、紫外線吸収剤配合のものを、肌への負担を軽くしたい場合は紫外線散乱剤配合のものを使用するとよいとされていますが、日焼け止めには吸収剤のみ、散乱剤のみの商品だけでなく、両方を組み合わせている商品もあります。

また、刺激が強いといわれる紫外線吸収剤でもまったく問題ない人もいれば、肌にやさしいといわれる紫外線散乱剤で肌荒れを起こす人もいます。最近では、紫外線吸収剤をシリコンやカプセルなどでコーティングし、肌への刺激を抑える技術なども開発されており、紫外線吸収剤だから刺激が強いとは一概に言えなくなってきています。

どちらがいいということではなく、成分をよく確認したうえで、使用シーンや場所、そして使いやすさや使い心地を考慮しつつ、自分の肌に合ったものを選ぶことが大切です。

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