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生理痛と下痢の原因と対策

更新日:2017.12.14
公開日:2016.03.28
ドクター画像
この記事の監修者
藤東クリニック 院長 藤東淳也

生理が始まると、生理痛だけでなく下痢にも悩まされる人がいるといわれています。ここでは、生理中に下痢が起こるメカニズムや、生理中の下痢の対処法について、ドクター監修のもと解説していきます。

生理中に下痢になりやすい理由と、その対処法を見ていきましょう。

下痢が起こる3つの要因

下痢とは、便の水分量が増して泥状~水のようになった状態を言います。多くの場合、排便の回数も増えます。

下痢は、次の3つの要素が関係して起こると考えられています。

1.食べ物や飲み物として摂取された水分は、腸で体内に吸収されます。暴飲暴食をしたあとになりやすいようです。

2.ウイルスや細菌に感染した場合や腸粘膜の炎症が起きた場合には、腸管壁から電解質や水分が過剰に分泌されてしまうことがあります。

3.腸は「蠕動運動(ぜんどううんどう)」をすることで便を押し出します。しかし、なんらかの原因で蠕動運動が激しくなりすぎてしまうと、内容物が急速に腸を通過してしまうため、水分を十分に吸収できなくなります。

生理中に下痢が起きる原因

女性の場合、生理が始まると下痢になるという人も多いのではないでしょうか。生理中に下痢が起きやすくなる原因は、プロスタグランジンというホルモンが関係していることが多いようです。プロスタグランジンは、経血を子宮の外に押し出すために子宮を収縮させますが、腸を収縮させる作用も持っています。このため、生理中に分泌されるプロスタグランジンの作用で腸の蠕動運動が速くなり、上記で説明したように、腸壁から水分を吸収できなくなってしまうことで下痢になります。

また、生理中の精神的なストレスで自律神経が乱れることで、ストレス性の下痢が引き起こされているケースもあります。

さらに、生理前は女性ホルモンの「黄体ホルモン(プロゲステロン)」の作用で、腸の収縮が抑制されたり、体内に水分が蓄えられたりするため便秘になりやすくなります。生理が始まると黄体ホルモンの分泌量が下がりますが、このことも生理中の下痢に関係していると考えられているようです。

生理中に起きた下痢の対処法

生理中の下痢は、基本的には自然に治まるのを待つしかありません。しかし、血行をよくしたり身体を温めたりすると、骨盤内にとどこおっているプロスタグランジンが排出されやすくなり症状が改善することがあります。軽い運動やお風呂で身体を温めてみましょう。

また、下痢のときは、アルコールや刺激物、脂肪や食物繊維の多いものは控え、消化のよいものを食べましょう。そして、脱水症状を起こさないように水分補給をしっかり行うことが大切です。生理のたびに、下痢に悩まされるようなら、一度婦人科で診てもらうのもよいでしょう。

生理痛を緩和するために重要なこと

生理中は、下痢の他にも下腹部の痛み、頭痛、吐き気、嘔吐など、さまざまな症状が現れます。生理による症状が毎回重く、鎮痛剤なしでは過ごせないという人は「月経困難症」の可能性があります。毎回、生理のときに悩まされているという人は、早めに婦人科を受診するようにしましょう。

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