オーガニックコスメには国産のものもたくさんあります。

オーガニックのコスメとは

日本では一般的に、肥料や農薬などの化学合成成分を使用せず、有機栽培された植物成分を主に配合した化粧品のことを、オーガニックコスメと呼んでいます。有機素材を使用することで、肌への刺激が少ない素材そのものの効能が特徴で、人間の肌が本来もっている自然治癒力を引き出す効果が期待されている化粧品です。

オーガニックのよい点

肌に刺激となりやすい化学物質が含まれていないオーガニック化粧品は、肌にやさしい化粧品といえます。そのため、敏感肌の人でも肌荒れや乾燥の心配が少なく使用できるというメリットがあります。

アロマ精油など肌に負担をかけない天然香料

天然香料とは、グレープフルーツやラベンダー、ローズなどの植物や動物から抽出された香料で、代表的なものはアロマ精油があげられます。一方、合成香料とは、ラベンダーやローズなどに似せて科学的に作られたもので、そのほとんどが石油由来のものです。これらはアレルギーの原因になったり、ホルモンの分泌に影響を及ぼすこともあり、肌に悪いといわれています。

国産のオーガニックコスメに有機JASマークがつかない理由

消費者が商品を選ぶ目安として「JASマーク」があります。そのひとつである「有機JASマーク」は、有機農産物（米・野菜・果物など）や有機畜産物（肉）、有機加工食品（有機農産物や畜産物を加工したジャムや乳製品、ハムなど）、有機飼料（有機農産物を原材料にした牧草や配合飼料など）につけられるものです。海外では、このようなオーガニック食品の認証が化粧品に対して用いられることがあります。

しかし、日本の場合は、有機JASマークを化粧品につけることができません。有機JASマークは農林水産省の管轄ですが、化粧品は厚生労働省の管轄であるため、有機JASの対象外となってしまうのです。

肌や環境への負荷を最小限に抑える原料へのこだわり

海外にはさまざまなオーガニック認証機関があり、オーガニックコスメの原料に徹底的なこだわりを持ち、独自の認証基準が設けられています。オーガニック認証とは、土壌の状態から消費者の手に渡るまでの製造工程において、有機栽培でつくられた製品であることを証明するための認証です。特に、環境や生物への負荷を最小限に抑えた製造方法であるところがポイントとなります。認証基準は各団体によって異なり、基準を満たしたアイテムやメーカーのみがオーガニック認証を受けることができます。日本にはオーガニックコスメかどうかを判断する基準はありません。そのため、各メーカーの判断によってオーガニックを名乗ることが可能な状態です。しかし、2007年には「日本オーガニックコスメティック協会（JOCA）」というNPO法人が誕生しました。海外のオーガニック認証機関と調整をしながら、オーストラリアの認証機関（ACO）やアメリカの認証機関（USDA）と同等の基準をつくっています。

良質なものはどのようにして見分けるか。

オーガニックコスメの選び方として、国際的な認証を取得しているものか、もしくはそれに準ずる自社基準を設けているものを選びましょう。国際的な認証団体が基準として掲げているのは

1.石油由来成分の排除

2.動物由来成分の排除（生きた動物からは可）

3.植物由来原料のうち70～90％以上がオーガニック原材料

がだいたい共通する3点となります。

自社基準の見分け方は、ホームページなどで石油由来成分の排除、オーガニック原材料比率を明確にしているかを確認しましょう。

天然成分もピンキリ

天然成分も産地、品質、栽培方法、圧搾方法などがピンからキリまで異なります。食品と同じで、本来の自然な味や香りがよいものは、植物の微量成分もしっかり残っていて栄養素の破損もなく、オーガニックコスメに用いても良質な原料となります。つまり、できる限り原産国や原産国に近い気象条件で育てられていて、オーガニック認証を取得した栽培方法を用いていて、溶剤などを使わず、昔ながらの抽出・圧搾法を用いられたものが、オーガニックコスメならではの効果をしっかり肌に届けてくれる成分ということになります。ホームページなどで、原料についてのこだわりもちゃんと明記されているかどうかも選定基準にしましょう。

国産のオーガニックコスメ市場について

世界最大級のオーガニックコスメ認証機関であるエコサート認証などを活用し、品質にこだわった国産のコスメブランドが日本にも増えてきました。ただし、日本にはオーガニック原料がまだまだ少なく、オーガニックコスメをつくることが難しいという問題も残っています。これからの日本には、消費者の立場を考慮したオーガニックコスメの明確な基準の設定が必要でしょう。