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化粧品で白斑が起きた理由とは?

更新日:2018.01.30
公開日:2016.06.14
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この記事の監修者
スキンケア大学参画ドクター

市販の美白化粧品を使用した人の肌に、白斑が出てしまうというトラブルがニュースになりました。今回、化粧品使用によって白斑が出た背景や原因となった成分の特徴、また私たちが通常化粧品を使用する際の注意点について、ドクター監修の記事で解説します。

皮膚に白い斑点ができる白斑には、生まれつき原因がある先天性のものと、生まれた後に何らかの原因で発症する後天性ものがあります。ここで解説する化粧品による白斑トラブルは、後天性のものとなります。

美白化粧品使用による「白斑」トラブル

白斑は、何らかの原因でメラニン色素を生み出す細胞(メラノサイト)が減少したり、消失することで、皮膚の色素が薄くなったり、白くなってしまう病気です。

以前、ある美白化粧品を使った約2万人の方の肌に白斑が現われ、問題となったことがありました。これは白斑症状が出る後天的な原因の一つである「科学白斑」にあたります。

このときは、美白化粧品の使用開始後2か月~3年で、使用した部分に白斑を生じる人が現れました。半数の方には白斑が現れる前に、皮膚に赤みやかゆみがあったといいます。残りの半数の方は、特に症状がないまま白斑が現れました。また、赤みやかゆみだけで白斑が現れなかった方も一部いました。

なぜ化粧品によって白斑が生じたの?

この美白化粧品によって白斑が生じた方は、全体の2%程度といわれていますが、その原因は、配合されていた「ロドデノール」という美白成分にあると考えられています。

「ロドデノール」とは、メラニンの生成を抑える物質として、その化粧品会社が開発した医薬部外品有効成分で、美白効果やシミ・ソバカス予防の効果があるとして、問題となった化粧品に配合され、市販されていました。

そもそもシミは、皮膚にメラニンという色素が過剰に沈着することで生じます。このメラニンは、「チロシナーゼ」と「チロシン」という成分が結合することで作られるのですが、今回問題となった成分「ロドデノール」は、チロシンに代わってチロシナーゼと結合します。これにより、チロシンがチロシナーゼと結合できなくなることで、シミの原因となるメラニン生成が抑えられるため、シミや美白に効果があるとされていました。

しかし、「ロドデノール」がチロシナーゼと結合することで「ロドデノール代謝産物」というものが作られます。このロドデノール代謝産物が、メラニンを作る細胞であるメラノサイトの働き自体を消失させる毒性があったと考えられています。

今回の白斑の発生には、ロドデノール代謝産物とメラノサイトの解毒能力のバランスが関係するともいわれていて、詳細については現在も研究中です。

他の化粧品による影響は?

承認を受けている成分や市販されている商品であっても、人によっては皮膚に異常が現れることもあります。もし化粧品の使用で肌への違和感や変化があったらすぐに中止し、その化粧品を持って、皮膚科などの専門医に相談してください。

また、ロドデノールを配合していない美白化粧品でも同じような症状が現れたとの報告があったり、白斑ではありませんが加水分解コムギが含まれた洗顔石鹸が原因で、使用者の一部に小麦アレルギーを発症した例もあります。もし、スキンケアやメイクアップ製品で、困った症状が出るのでは、と不安がある場合には、使用する前に必ずパッチテストを行うようにしましょう。

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