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爪のひょうそは自然治癒する?薬で治せる?病院に行くなら何科?
爪の周りが赤く腫れて、強い痛みがある。こういう場合は爪のひょうそ(ひょう疽)かもしれません。ここでは爪のひょうそがなぜ起こるのか、市販薬で治せるか、病院に行くならどの診療科が適切なのかを中心に解説します。
「ひょうそ」(ひょう疽)は、手や足の爪甲周囲に起こった急性の化膿性(細菌性)炎症を示す総称です。そのため、一般的に「ひょうそ」と言う場合は「化膿性爪囲炎」(かのうせいそういえん)とも言います。ここでは、ひょうそについて詳しく解説します。
爪のひょうそで起こる症状は?
手や足の爪の周りにひょうそが起こると、赤く腫れて熱を持ち、ズキズキと痛みます。これは細菌の感染により急性の炎症を起こしているからです。
炎症が進行すると膿がたまってきます。転んでケガをして赤く腫れ、膿が出ることは誰もが体験していることですが、指先の爪の周りは構造上、膿がたまりやすく、体外に膿を排出しにくいという特徴があります。そのため、爪のひょうそでは膿がたまり(膿瘍)、白く透けて見えることもあります。
また、爪の周りは閉鎖的な組織なので、感染が進行すると横に広がるのではなく奥の方に広がる傾向があります。そのため、進行すると指先の血管が閉塞して組織が死んでしまったり、骨まで炎症が達したりしてしまいます。指先の感覚がおかしかったり、なくなったりしているようなら重症になっている可能性があるので、早く病院に行きましょう。
なお、感染している細菌が緑膿菌である場合は、爪が緑色に変色することがあります。
詳しくは『爪周りが腫れている!病院に行くべきひょうその症状とは』をご覧ください。
爪のひょうそはなぜ起こる?
爪のひょうそを起こす原因は主に細菌です。黄色ブドウ球菌、化膿レンサ球菌、緑膿菌、大腸菌が多いと言われています。これらの細菌は健康な人の皮膚の表面に付いていることがあり、普段は悪さをしませんが、指先に小さなケガなどがあってそこから皮膚の内側に入り込むと、感染して増殖してしまいます。具体的には、指先に下記のようなことがある場合に爪のひょうそが起こりやすいと考えられています。
- 刺し傷
- ささくれ
- 陥入爪(巻き爪)
- 手荒れ
- 絆創膏の貼付
爪のひょうそは指しゃぶりをする乳幼児や、水仕事の機会の多い主婦や清掃業者、調理師、美容師などがなりやすい病気です。指が湿った状態が長くなりやすいので細菌が感染しやすく、また、手先がふやけた状態が続くので皮膚に傷がつきやすいためです。
詳しくは『ひょうそ(ひょう疽)の原因はなに?』をご覧ください。
病院に行くなら何科?どうやって治すの?
爪のひょうそを専門的に診てくれるのは皮膚科です。まずはお近くの皮膚科クリニックを受診しましょう。
自然治癒することを期待して、しばらく様子を見たい人もいるかもしれませんが、前項で述べたように、ひょうそは放置すると悪化することがあります。悪化すると治療が複雑になり、治療期間も長くかかります。ごく軽い症状であれば、その指をあまり動かさないように安静にして、冷やしたり、市販の抗菌外用剤を使用したりすると炎症が軽快する可能性もありますが、過信は禁物です。できるだけ早く病院で診てもらいましょう。
病院での治療
爪のひょうそは細菌感染が原因ですので、その細菌を殺す作用をもつ抗生物質(抗菌薬)による治療がメインになります。抗生物質を含む軟膏を外用したり、内服薬を飲んだりします。痛みが強いときは痛み止めを併用することもあります。また、爪の周囲や爪の下に膿がたまっている場合は、皮膚を少し切開して膿を出す処置を行います。
詳しくは『早期治療が大切なひょうそ(ひょう疽)の治療とは』をご覧ください。
市販薬で治療できる?
殺菌作用のある軟膏は薬局やドラッグストアで売っていますが、爪のひょうそになってしまった後では、これらの薬では効果が弱く、治癒はあまり期待できません。また、抗生物質の飲み薬は医師の処方箋がないと買うことができません。やはりきちんと治療をするためには皮膚科などの病院に行く必要があります。
市販薬については、前述した爪のひょうそになりやすい状況にある場合に、予防的に皮膚を保護するために保湿剤を頻繁に使用しておくことが大切です。また軽度であれば抗菌外用剤で軽快することもあります。
なお、爪のひょうそで膿がたまっている場合、自分で切って膿を排出しようとするのはやめましょう。不衛生な器具での処置はかえって感染を広げてしまうおそれがあります。
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