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子供のアトピー性皮膚炎のケア方法

更新日:2017.09.18
公開日:2016.12.27
ドクター画像
この記事の監修者
新宿駅前うわじま皮膚科 院長 上嶋祐太

乾燥した肌と、個人差がある皮膚の炎症が見られる子供のアトピー性皮膚炎は、一度かかると治療に時間がかかることが多いです。症状から治療のためのホームケアの方法まで網羅した情報をドクター監修の記事にてご紹介します。

アトピー性皮膚炎はアレルギー反応がかかわっている病気です。子供の体質によっては、炎症の具合もさまざまで、長期的な治療を要することもあります。まずは医師の診断を受けて根拠ある標準的治療を開始することが適切なケアにつながります。

アトピー性皮膚炎はどのような症状?

個人差があり、多様性が見られる症状

アトピー性皮膚炎はアレルギーが密接に関与する皮膚炎です。皮膚の乾燥、かゆみが長期的に続き、慢性的に発生するのが特徴です。具体的な症状には個人差があります。皮膚が乾燥して白っぽい粉のようなものが吹き出てきたり、やけどをしたようにただれてジュクジュクになったり、無数に広がる赤い発疹が現れたり、皮膚の弾力がなくなって固くなってしまうこともあります。いずれの症状もかゆみをともないます。そのため、子供はかゆみに耐えられずにかきむしってしまい、出血や症状の悪化につながります。いったん症状が治まり、完治したかと思っても再発するケースも多いです。

早くて生後2か月から発症

アトピー性皮膚炎は生後2か月の乳児から発症する可能性もあります。発症の進行も度合いもやはり個人差がありますが、はじめは顔や頭部を中心に湿疹が見られ、そこから全身に広がっていくケースが多発しています。

乳児など月齢が低いうちに受診しても判断できる要素が少ないため、正確に診断できないこともあります。その場合、ある程度の経過の後にアトピー性皮膚炎と発覚することがあります。

アトピー性皮膚炎が発症する原因は?

アレルギー体質が起因して発症することが多いですが、アレルギー体質のすべての人がこれに該当するわけではありません。アトピー性皮膚炎は様々な要因が重なり合って発症することも多いため、特定の原因がわからないケースも多いです。

アトピー性皮膚炎を発症すると肌が乾燥しやすいため、皮膚のバリアが非常に弱まっています。とても敏感な状態になっているため、健康な肌には問題ない刺激がアトピー性皮膚炎の子供の肌にとっては大きなダメージになることがあるのです。

また、体質の他にも発症の原因となるものが多数あげられます。食べ物や汗などの汚れ、ダニやハウスダストなどによっても発症する可能性があります。

治療は主にぬり薬を使用

アトピー性皮膚炎の疑いが見られたら、皮膚科あるいは小児科を受診しましょう。薬を処方してもらい、治療することになります。よく使用されるのはステロイド外用薬、非ステロイド外用薬、保湿薬、タクロリムス外用薬の4種類とされています。かゆみの症状がひどい時は飲み薬としてかゆみ止めを処方されることがあります。

ステロイド外用薬とは

ステロイドとは副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモンが含まれている薬で、皮膚の炎症を抑える薬としてアトピー性皮膚炎の治療に主に使われる薬です。薬の強さが5段階あり、子供には強さの弱いものが処方されるようになっています。ステロイド外用薬を使えば炎症がひいていきますが、原因を除去する効果はありません。副作用として皮膚が赤くなること等がありますが、子供に処方されるものは正しく使用していれば副作用が少ないことが大半です。医師の指示通りに使用するようにしましょう。

塗り薬なので、塗る前は必ず子供の体を清潔にしてからにしましょう。また、塗ってあげる人の手もよく洗浄しておきます。顔や陰部は特に皮膚が薄いので、塗る薬の強さも弱めにします。この時、薬が目に入らないように気をつけましょう。万が一入ってしまった場合は水ですすいで、経過観察中に異常を感じたら受診しましょう。

改善するためのホームケア方法

部屋を清潔にしておく

ダニやハウスダストが蔓延する部屋で過ごしていると、肌に刺激を与えて症状が悪化する場合があります。普段よりも掃除を意識するようにします。天気がいい日は布団を天日干しするといいです。ダニは日光に当たると死んでしまうので、取り込む際は布団を掃除機にかけてダニの死骸を吸い取るようにします。

肌の乾燥を防ぐ

アトピー性皮膚炎の肌は乾燥しやすいため、肌の保湿状態を保てるようにします。乾燥した室内では肌の水分が失われやすいので、加湿器を設置するなど部屋に湿度がある状態にします。特に冬場は乾燥しやすいので意識して取り組みましょう。

入浴後も体の水分が逃げていきやすいので、医師が処方した保湿剤を塗るなどして肌のうるおいを保つようにします。しかし、自己判断で過剰に塗りすぎるのはかえって肌への負担になる場合があるので、使用する量はドクターの指示を仰ぎましょう。

体を洗う時は強い刺激を与えないように

炎症が悪化しているか所は、入浴時や洗顔時にタオルやスポンジを泡立てて洗わずに手でやさしく洗うことで、患部への刺激をやわらげることができます。石けんも低刺激のものを使用するようにします。

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