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とびひ(伝染性膿痂疹)の治療法ととびひに似ている皮膚疾患

更新日:2018.05.02
公開日:2017.03.31
ドクター画像
この記事の監修者
銀座禅クリニック 院長 コッツフォード 良枝

とびひは、健康な人にうつる心配はないとされていますが、重症化すると重篤な状態に陥る危険があるため、早期に治療を開始しなければなりません。ここでは、とびひの治療法や再発の心配などについてドクター監修の記事で解説します。

とびひは、大人でも子供でもかかる可能性がある病気です。伝染性膿痂疹の中でも、子供は水疱性膿痂疹、大人は痂皮性膿痂疹にかかりやすいといわれています。それぞれ、どのような治療を行うのかみていきましょう。

とびひ(伝染性膿痂疹)とは

正式には伝染性膿痂疹と呼ばれる病気です。水疱などが現れ、それを掻きむしることで広がっていきます。火事で火の粉がまたたく間に延焼を起こしていくように見えることから、「とびひ」と呼ばれています。

とびひの治療方法

とびひには、水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)と痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)があります。水疱性膿痂疹の原因菌は黄色ブドウ球菌、痂皮性膿痂疹の原因菌はA郡β溶血性連鎖球菌(黄色ブドウ球菌との混合感染の場合もあり)です。それぞれの原因菌に効果が期待できる抗生物質を内服します。特に痂皮性膿痂疹の場合、重症になると点滴で投与する必要があります。また、外用剤も併用することがあり、原因菌に対して効果が期待できる抗菌薬を使用します。

MRSAが原因のときの治療方法

MRSAとは、耐性菌のことを指します。抗生物質にはさまざまな種類がありますが、その多くの種類に効果が期待できないのが特徴です。この場合は、MRSAに対して効果が期待できる数少ない抗生物質を慎重に選んで使用します。

清潔が大切!とびひの自宅でのケア

とびひを防ぐために、皮膚の清潔を保つことが大切です。とびひを発症した場合も、発熱などの全身症状が認められない場合には入浴することをおすすめします。しっかりと石けんを泡立てて、患部をやさしく洗いましょう。入浴が原因でとびひがうつる心配はないとされていますが、先に健康な家族が入浴して、最後に患者が入浴した方がよいでしょう。

鼻の中に黄色ブドウ球菌などさまざまな菌が常在しているので、鼻に指を入れないよう指導することも大切です。日ごろから手洗いを徹底させ、爪を短く切っておきましょう。

予防が大切!とびひの再発について

一度とびひにかかっても、再発に対する十分な免疫が成立しません。そのため、何度でも再発する可能性があります。とびひを発症しないために、適切な方法で予防を続けることが大切です。

とびひに似ている皮膚疾患とは

再発しないと思い込み、とびひの治療が遅れてしまわないよう、とびひと間違えやすい病気についても確認しておきましょう。

全身にかゆみなどがあるアトピー性皮膚炎

顔や全身にかゆみをともなう発疹が現れる状態で、かさぶたや赤みを帯びた腫れなど、とびひと似た症状が現れることがあります。かゆみにより、つい掻きむしって傷を作ってしまうことがあります。また、乾燥によって肌のバリア機能が低下しています。これらの要因により、黄色ブドウ球菌などに感染しやすく、とびひのリスクが高いと考えられます。水疱や膿疱はアトピー性皮膚炎の症状ではないので、すぐに医療機関を受診しましょう。

水疱やかゆみをともなう汗疹(かんしん)

一般的に「あせも」と呼ばれます。皮膚の中に汗が溜まり、水疱やかゆみをともなう発疹が現れます。大人と比べて子供は発汗量が多く、肌を清潔に保つためのケアが十分にできないため、あせもになりやすいといわれています。あせもによってかゆくなり、掻きむしって傷を作ることでとびひに感染しやすくなります。

小さな発疹があらわれる水イボ

伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)といい、半球型の小さな発疹が現れます。とびひと同じく、掻くことで患部が広がります。イボの数が多く、範囲が広い場合には治療が必要ですが、軽度であれば免疫によって自然に治癒するといわれています。

強いかゆみをともなう水疱瘡

正式には水痘(すいとう)といい、水疱・帯状疱疹ウイルスに感染することで発症します。赤みをともなう小さな発疹が現れ、全身へと広がり、強いかゆみをともなう水疱へと変わります。また、数日経過するとかさぶたになるため、とびひと間違えやすい病気といえます。

肌に刺激を受け赤みをともなう接触性皮膚炎

一般的に「かぶれ」と呼ばれる状態で、肌がなんらかの刺激を受けることで赤みをともなう発疹や丘疹(きゅうしん)、水疱などが現れます。おむつかぶれやアレルギーなどさまざまな原因で起こります。

どのような病気も自己判断でケアをしてしまうのは危険です。悪化を防ぐためにも、気になる症状があれば必ず医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。

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