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赤ちゃんのとびひの症状と原因、治療法
とびひは、大人でも赤ちゃんでもかかる病気です。特に赤ちゃんや子供は、とびひにかかりやすいといわれているので注意が必要です。ここでは、赤ちゃんのとびひについて、ドクター監修の記事で詳しく解説します。
とびひの種類によっては重症化すると重篤な症状が現れるので、症状が現れたらすぐに医療機関を受診しましょう。赤ちゃんは免疫力が低いので、とびひになりやすいといわれています。他にも、とびひになりやすい要因はあるので確認しておきましょう。
赤ちゃんや子供に多いとびひとは
とびひには、水疱性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)と痂皮性膿痂疹(かひせいのうかしん)があり、赤ちゃんや子供がかかりやすいのは水疱性膿痂疹です。とびひは、高温多湿の環境で発症しやすいため、夏季に保育園などで集団発生しやすいといわれています。また、冷暖房を使用することで、冬でも室温が下がらず汗をかきやすくなるため、冬でもとびひを発症することがあります。また、虫刺されやあせも、アトピー性皮膚炎などが原因でとびひになることがあります。
とびひの症状
水疱性膿痂疹では、かゆみをともなう水疱が現れ、それを掻き壊すと「びらん」というただれた状態になります。その周りに小さな水疱ができ、広がっていきます。水疱の色は透明ですが、次第に膿を持つようになります。
痂皮性膿痂疹は大人の方がかかりやすいとされていますが、赤ちゃんや子供でもかかる可能性があるので、痂皮性膿痂疹の症状についても確認しておきましょう。皮膚が赤く腫れることから始まり、症状が進行すると膿胞が現れます。膿胞が破れるとびらんになり、厚いかさぶたができます。水疱性膿痂疹と同じく全身へと広がっていきます。
水疱性膿痂疹と異なるのは、痛みをともなうことが多いということです。また、発熱やリンパ節の腫れなどが起こることも特徴の一つです。重症例では、原因菌が出す毒素の影響で全身に赤みが現れることもあります。腎臓の糸球体に炎症が起こる糸球体腎炎を合併することがあり、尿タンパクや血尿などが出る場合もあります。
とびひの原因
水疱性膿痂疹の原因菌は黄色ブドウ球菌で、表皮剝脱毒素を生産して皮膚を侵します。表皮細胞は、とある構造物によって繋ぎ合わされています。その構造物に含むデスモグレイン1が表皮剝脱毒素によって破壊されることで、皮膚に症状を引き起こします。
痂皮性膿痂疹の原因菌はA群β溶血性連鎖球菌ですが、黄色ブドウ球菌との混合型もあります。これらの菌は人ののどや皮膚などさまざまな部位に常在しており、普段は人体に害を及ぼすことはありませんが、傷などから体内に侵入すると、とびひなどさまざまな病気を引き起こします。
また、適切な治療を続けているのに一向に症状が改善しない、ということがあります。この場合は、あらゆる抗生物質に耐性を持つMRSAの感染によるとびひの可能性があります。MRSAは、通常の黄色ブドウ球菌と同じくさまざまなところに存在しています。抗生物質を多用している方や重症のやけどを負っている方は、MRSAに感染しやすくなるとされています。
とびひはうつる?感染経路とは
とびひの感染経路は接触感染です。とびひによる水疱や膿胞が破れ、排出された内容液に触れると、黄色ブドウ球菌がうつります。そして、皮膚に傷などがあると、そこから体内へ侵入してとびひを引き起こします。
とびひの原因となる黄色ブドウ球菌やA群β溶血性連鎖球菌が、ほかの人に感染するということはあり得ますが、とびひとして発症するとは限りません。健康な皮膚ではとびひの症状が出ることはないためとびひはうつる病気とはいえませんが、皮膚に傷がある状態やバリア機能が低下した肌では症状が生じてしまう可能性もあります。
とびひへの対処と治療方法
原因菌に対して有効とされる抗生物質を使用します。水疱性膿痂疹では、抗生物質の外用薬と内服薬を併用することが多く、水疱が大きくなっている場合には、内容物を取り除く処置を行います。そうすることで、水疱を掻き壊して排出された内容液が周囲の皮膚に触れ、患部が拡大してしまうのを防ぐことができます。
内容液を排出した水疱や膿胞は、外用薬を塗ってガーゼで覆います。1日に1~2回を目安にガーゼを交換し、清潔な状態を保ちます。なお、かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬を使用することがあります。
痂皮性膿痂疹の治療では、A群β溶血性連鎖球菌に有効とされるペニシリン系の抗生物質を使用します。症状が強く現れている場合には、点滴で抗生物質を投与することがあります。また、黄色ブドウ球菌との混合型の可能性がある場合は、黄色ブドウ球菌に対しても有効とされる抗生物質を使用します。
また、赤ちゃんや子供のとびひは、虫刺されやアトピー、あせもなどを合併していることが多く、これらの治療も必要になります。
とびひの予防は肌を清潔にすること
とびひの予防として、肌を清潔に保つことがあげられます。また、肌のバリア機能を高めるために、肌をうるおわせることが大切です。保湿剤を使用したり、湿度が下がり過ぎないよう加湿器を利用したりしましょう。また、肌を傷つけないよう爪を短く切ることも有効とされています。
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