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妊娠初期・妊娠中に口内炎の症状がでやすい原因について

更新日:2017.12.20
公開日:2017.03.31
ドクター画像
この記事の監修者
すざく小林歯科 院長 小林達也

妊娠中は免疫力が低下していることが多く、さまざまな不調があらわれやすいといわれています。口内炎もできやすい状態といえます。妊娠中に口内炎ができたときの具体的な治し方などについてドクター監修の記事で詳しく解説します。

妊娠中、とくに妊娠初期には口腔内にトラブルが発生しやすくなるといわれています。口内炎は口腔内のいたるところに起きる可能性のある炎症の総称です。頬や唇の内側に多く見られ、熱いものや冷たいものなどが患部にしみたり、接触すると痛みを感じたりします。ただでさえ、つわりなどの不調でつらい時期のため、なるべくすみやかに治したいものです。しかし、妊娠中に口内炎ができてしまった場合、通常とは違い、気をつけるべきことがいくつかあります。ここでは、妊娠中に口内炎ができやすい原因から治し方、そして、注意点について説明していきます。

妊娠中のつわりによる口内環境の悪化が原因

個人差はありますが、一般的に妊娠4~6週くらいからつわりが始まります。つわりは、吐き気や嘔吐などの症状を引き起こします。特に、つわりのひどい妊娠初期には、歯磨きをしっかりと行えない場合があります。歯磨き粉に対する拒否反応や、歯ブラシを口の中に入れることに抵抗を感じるなど理由はさまざまです。

十分に歯を磨けないと、細菌を増殖させてしまい口内炎ができやすくなります。このことが、妊娠初期に口内炎ができやすい原因の一つと考えられます。しかし、口腔内の衛生環境に気をつけていても、他の原因によって口内炎ができることがあります。

妊娠初期の口内炎の原因|ホルモンバランスの変化、免疫力低下

妊娠初期に口内炎ができやすい原因としてもう一つ、ホルモンバランスの変化があげられます。妊娠すると、2つの女性ホルモンが急激に分泌されるようになります。女性ホルモンは増加しても減少しても身体に不調があらわれます。あくまでもバランスが大切なのですが、妊娠中にホルモンがくずれるのは出産のために仕方がない現象といえます。

プロゲステロン(黄体ホルモン)

プロゲステロンは妊娠を継続するために必要な女性ホルモンです。プロゲステロンの分泌量が増加すると、

  • 便秘
  • ほてり
  • むくみ

といった症状があらわれます。また、強い眠気も多くの妊婦が感じるといわれています。つわりもプロゲステロンの増加により引き起こされるといわれていますが、そのような変化がストレスにもつながる可能性があります。ストレスはあらゆる身体の不調を引き起こす原因となりかねません。

エストロゲン(卵胞ホルモン)

においに対して反応が敏感になるのは、この女性ホルモンが関係しているといわれています。エストロゲンには嗅覚を高める働きがあります。妊娠によりエストロゲンが増加すると、妊娠前は好ましく感じていたにおいや気にならなかったにおいも不快に感じることが多くなります。

これら2つの女性ホルモンの変化により、妊娠時にはさまざまな不調があらわれます。なかでも、口内炎ができやすくなる原因には、

  • 唾液の分泌が減少すること
  • 免疫力が低下すること

があげられます。妊娠時には唾液が減少する「ドライマウス」になることがあります。唾液が減少すると口の中が正常に保たれず、細菌が増えやすい状態になります。さらに、免疫力が低下すると、より口内炎発症のリスクが高まります。

また、口内炎とつわりが重なると、食事が困難になり栄養に偏りが起こることがあります。ホルモンバランスだけでなく栄養のバランスがくずれ、ますます免疫力が低下してしまいます。特に、ビタミンB2という栄養素が不足すると口内炎ができやすくなるといわれています。ビタミンB2は、

  • レバー
  • 納豆

などに多く含まれており、皮膚や爪などの成長促進や粘膜の健康に欠かせない栄養素です。

ビタミンB2と同様の働きをもつ、ビタミンB6も重要な栄養素です。ビタミンB6はつわりの症状軽減にも役立ちます。豊富に含まれるものには、

  • マグロ
  • カツオ
  • にんにく

などがあげられます。摂取がむずかしい場合にはサプリメントなどを活用しましょう。ただし、用量を必ず守り、一日の摂取上限を超えないように注意する必要があります。

妊娠中の薬の使用は病院で医師に相談を

口内炎の症状がつらいときには、市販薬を使用することで症状軽減の効果が期待できます。しかし、妊娠中には薬の服用について制限があります。胎児に悪影響を与えることがあるため、市販薬を自己判断で使用しないようにしましょう。口内炎の治療には漢方薬を用いられることがありますが、漢方薬についても自己判断での服用は避けましょう。

また、あまり我慢をしすぎるとストレスがたまり、症状を悪化させることも考えられます。ストレスは胎児にとっても悪影響が考えられます。そのようなときには、かかりつけの医師に相談しましょう。医師の指導に従って、適切な治療を行うことをおすすめします。あわせて、栄養バランスのとれた食事、睡眠時間の確保、口内環境を清潔に保つなど心がけましょう。

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