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目に見えない背中の粉瘤には要注意

更新日:2018.09.27
公開日:2017.03.31
ドクター画像
この記事の監修者
スキンケア大学編集部

痛みのないニキビのような盛り上がりが皮膚にある場合、それは粉瘤かもしれません。特に背中にできた粉瘤は、目では確認しづらいのに悪化しやすいため注意が必要です。ドクター監修の記事で、背中の粉瘤について解説します。

顔や耳周り、背中など、身体のいたる場所にできる粉瘤(ふんりゅう)は、放置すると細菌が侵入して痛みや炎症を引き起こしてしまうことがあります。特に、背中にできた粉瘤は、自分の目で確認することが難しいため注意が必要です。

背中にできる粉瘤には注意が必要

粉瘤自体が悪さをすることはありませんが、背中にできる粉瘤には注意が必要です。粉瘤について詳しく見てみましょう。

粉瘤とは

粉瘤とは、皮膚にできる良性腫瘍のことをいいます。別名「アテローム(アテローマ)」ともいわれ、見た目はニキビやおできによく似ています。しかし、おできやニキビとは違って、痛みやかゆみがあるわけではありません。もともと、良性の腫瘍であるため、粉瘤ができたといっても、それが何か悪さをするわけではないのです。ですが、放置すると細菌が侵入して腫れや炎症を起こすことがあります。ニキビやおできと同じように注意が必要でしょう。

粉瘤の原因はいまだ明らかにされていない

粉瘤ができてしまう原因は、今のところは明らかにされていません。皮膚にできた傷がきっかけになるとされていますが、突如皮膚にできてしまうケースも少なくありません。粉瘤は、なんらかの原因で皮膚の中に袋状の腫瘍ができ、そこに古い角質や皮脂といった老廃物がたまって大きくなっていきます。本来こういった老廃物は、皮膚のターンオーバーによりはがれ落ちていくものですが、粉瘤の場合は、袋の口がしまった状態の腫瘍の中に老廃物が入り込んでいるため、排泄されず残り続けてしまいます。さらに、この袋の口の部分は、皮膚表面に小さく開口しているため、そこから細菌が侵入してしまうことがあるのです。この開口部は黒い斑点状になっていることが多く、その見た目から「ヘソ」と呼ばれています。袋の中にある角質や皮脂は、細菌の栄養素になってしまい、さらに活動が活発になって痛みや炎症が引き起こされてしまうのです。

背中は粉瘤ができやすい

粉瘤は、身体のいたる所にできますが、背中はその中でも粉瘤ができやすい部位といわれています。特に、背中の場合は、自分でその状態を確認するのが難しいため、すでに細菌が入り込んで痛みや炎症が引き起こされた状態になって、初めて粉瘤の存在に気づくことも少なくありません。さらに、背中の粉瘤は「自潰(じかい)」してしまうことも多いです。自潰とは、粉瘤が化膿したことによって、その膿が粉瘤から飛び出すことをいいます。

膿が飛び出せば、一時的に痛みはなくなりますが、粉瘤自体がなくなるわけではないので、再発の可能性もあります。むしろ、自潰することで傷口が広くなり余計に細菌が入りやすく、化膿も自潰以前より悪化してしまうこともあるのです。そうならないためにも、背中の粉瘤は早めの治療が必要といえるでしょう。

背中にできる粉瘤の治療法

背中にできる粉瘤はどのように治療をしたらよいのでしょうか。治療法について見てみましょう。

手術で粉瘤を取り除く

基本的に粉瘤は、自然に消滅していくことはなく、完治には外科手術が必要になります。老廃物がたまっている袋を取り除く必要があるのですが、それを行う方法は今のところ手術しかありません。手術法としては、皮膚を小さく切開して、そこから袋を引っ張り出す「小切開摘出手術」や、特殊なパンチで穴を開け、老廃物を取り除いてから袋を取り除いていく「ヘソ抜き法」などがあります。

どちらの手術法も、比較的簡単な手術で、外来で日帰りにて行われることがほとんどです。また、手術跡は術後半年~1年ほどで目立たなくなっていきます。

細菌の侵入によって炎症が起きている場合は

背中にできてしまった粉瘤は痛みが出るまで気がつきにくく、自覚したころにはすでに炎症を起こしている場合もあるでしょう。その場合は、まず炎症を抑えるために抗炎症剤や抗菌剤などが処方されます。その後、手術などで粉瘤を取り除いていくという方法がとられることが多いです。薬で治療した時点で痛みや炎症が引いていき、快適に過ごすことができるようにはなるのですが、やはり粉瘤を完全に取り除かなければ再発の可能性がありますので、手術を受けることをおすすめします。

何度も自潰→化膿→自潰をくりかえすことで、皮膚表面に色素沈着や皮膚のひきつれをおこしたり、腫れていないときも固くしこりを感じたり、腫れたときに多量の膿がたまりやすくなり、パンパンに膨らんでしまっているような粉瘤もあります。その場合は、「排背膿処置」をとり、その部位を小さく切開して膿を絞り出し、1〜2か月ほど様子を見ます。その後、皮膚が落ち着いた段階で手術で粉瘤の袋を取り除いていく方法がとられることが多いです。

特に、背中の場合、その状態は自分で確認することが非常に難しい部位となります。背中は、汗をかきやすく、清潔に気を配っていたとしても、粉瘤に細菌が侵入してしまう可能性が高い部位です。背中のしこりが少しずつ大きくなってきたり、痛みが出てきたりしたら、すぐに医療機関で診察を受けることをおすすめします。

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