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淋病の原因とは
淋病は、人によっては自覚症状がないこともあり、放置すると子供ができにくくなったり、妊婦だと赤ちゃんに感染したりする可能性があります。ここでは、淋病の原因や感染経路、母子感染のリスクについて、ドクター監修のもと解説します。
感染率が高い淋病の原因菌や感染経路について詳しく見てみましょう。
淋病の原因は淋菌
淋病は、性病のひとつで、淋菌に感染することで発症します。淋菌は、生命力が弱い菌で、乾燥や温度によって簡単に死滅し、適した環境の中でしか生きられません。人間に感染すると、性器の中や、のどなどの快適な環境を好んで住みつき、感染・繁殖します。
淋病の感染経路は性行為
淋病の原因となる感染経路は、一部の例外を除いては、性行為が一般的とされています。発症しやすい年齢として、女性では10代後半から20代前半、男性では20代後半がピークだといわれています。とくに、性行為の中でも、近年増加しているのが、オーラルセックスという口を使用した性行為による感染です。その場合、口から侵入した淋菌が、のどに定着し炎症を起こします。しかし、のどの炎症は、風邪(かぜ)と間違われやすいので発見されにくいという特徴があります。
このように、のどに淋菌が感染した状態のことを淋菌性咽頭(いんとう)感染と呼びます。淋菌性咽頭感染を起こしている人が、自覚症状がないまま、口と性器が接触するような性行為または、キスを行うと、相手にも感染してしまうリスクもあります。また、性行為により感染した場所によっても症状が異なります。
男性の性器
男性の場合、代表的な淋病の症状とされているのが、尿道炎です。感染からだいたい2日から1週間経過後に尿道口が赤くなったり、排尿時に痛くなったり、クリーム色のような分泌物がでたりします。放置すると、淋菌が尿道をさらに、精巣にまで範囲を広げて「精巣上体炎」を引き起こすこともあります。
精巣上体炎は、陰嚢(いんのう)が肥大し、ズキズキとした痛みにより、歩くのが困難になるほどといわれています。また、悪寒や発熱といった全身症状も一緒に起こります。当初は片方の精巣に感染して発症しますが、処置が遅れると、もう片方の精巣も侵していきます。すると、治療後に精子が作れない無精子症へと後遺症が残ることがあるため注意が必要です。
女性の性器
女性の性器から侵入した淋菌が子宮頸管で感染すると、膿のようなネバネバとした分泌物が出ます。しかし、男性のように痛みなど、他に目立つような症状が発生しないこともあり、感染に気づくまで時間がかかることがあります。そのため、パートナーの男性が感染して、初めて自分が感染していたことに気づくこともあります。自覚症状がない状態でも、放置すると感染が直腸や骨盤内の疾患にまで拡がり、下腹部の痛みや発熱といった症状を引き起こすことがあります。
肛門
肛門に淋菌が入り込むと直腸炎になり、肛門に出血や痛みなどの症状を引き起こします。
目
目からの淋菌感染は、出産時の赤ちゃんが多いとされていますが、大人でも可能性はゼロではありません。感染すると「化膿性結膜炎」という目が腫れる、膿がでるといった重篤な結膜炎となり、合併症を引き起こしてしまうこともあるので注意しましょう。
母から子供への垂直感染も
垂直感染とはいわゆる母子感染のことで、身体を通じて親から子へ感染することを指します。もしも、母体が淋病に感染していると、淋病の原因となっている淋菌が、赤ちゃんの産道となる子宮頸管に感染している可能性が高いです。すると、分娩時に産道を通る赤ちゃんが淋菌に感染してしまう危険性があります。赤ちゃんが淋菌に侵された場合は、結膜炎を発症する可能性が高いとされています。
淋菌性結膜炎
淋菌性の結膜炎は、大人では、発症がまれといわれており、発症する割合はアメリカのデータでは、赤ちゃんのうち1万人に2~3人といわれています。症状は、出産から遅くとも5日前後までに現れるとされていますが、破水した時間によっては症状がさらに、早く出ることもあります。
症状としては、まぶたの腫れや大量の膿がでるといった症状で、片目のみに現れるのが典型的です。生理食塩水で目を洗い清潔にし、抗生剤が含まれた薬で治療していきます。悪化すると失明するリスクもあり、早期の治療が大切です。淋菌性結膜炎は、出産前に気づくことで抗生剤が入った目薬を使い予防が可能とされています。また、16週なら妊娠中でも投薬による治療が可能となっていますので、出産前の治療が望ましいでしょう。
淋病の予防
代表的な予防方法としては、妊娠を望まない性行為に関しては、コンドームを使うことです。淋病は、感染場所によっては自覚症状があまりなく、自分が感染していると気づかないこともあります。そのため、もしも、パートナーが感染した場合は、一緒に病院で診てもらいましょう。また、先ほど垂直感染にふれたように妊婦の場合は、生まれてくる赤ちゃんに影響がでる可能性が高いため、妊娠中の検査はしっかりとうけて、早期発見に努めましょう。
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