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水いぼの子供はプールNG?感染対策と治療法

更新日:2017.12.06
公開日:2017.03.31
ドクター画像
この記事の監修者
いなばクリニック 院長 稲葉岳也

子供にあらわれることが多いといわれている水いぼは、感染すると考えられています。水いぼがあらわれているときは、プールに入ってもよいのかということを含め、水いぼの感染についてドクター監修の記事で解説します。

正式には伝染性軟属腫と呼ばれていてる水いぼは、水いぼがあらわれている方の80%以上は、10歳未満の子供といわれています。水いぼの原因と考えられているのは、ポックスウイルス科モルシポックスウイルス属伝染性軟属腫ウイルスです。伝染性軟属腫ウイルスに接触することで感染し、水いぼがあらわれるとされています。幼稚園や小学校の授業でプールに入る時期に、水いぼが子供にあらわれたときは、どうすればよいのかみていきましょう。

水いぼの時のプールはマナー違反?

日本小児皮膚科学会と日本臨床皮膚科医会が作成した「プールに関する委員会見解」によれば、水いぼがあらわれている場合、プールに入ることに関しては問題ないとされています。しかし、可能な限り、ビート板や浮き輪、タオルなどを一緒に使用することは避けて、プールに入った後は、しっかりと身体を洗い流すことが大切と考えられています。また、学校保健安全法で定められている「皮膚の学校感染症に関する統一見解」によると、水いぼがあらわれているときは、直接、肌に触れる水着やタオル、浮き輪、ビート板などの共同利用を避けることを求めるとされています。

これらの見解に基づき、水いぼがあらわれていても、プールに入ることが可能な施設は、増えてきているといわれています。しかしながら、肌を露出している人が多く、肌同士が直接触れる機会が多々あるプールは、伝染性軟属腫ウイルスに感染しやすいと考えられていますので、施設によっては、水いぼがあらわれているときは、プールに入ることを禁止しているところもあるといわれています。ですから、水いぼがあらわれていて、プールに入る機会がある場合は、施設の管理者などに確認しましょう。

プールでの伝染を防ぐ予防対策

塩素による消毒が行われているプールの水の中で、伝染性軟属腫ウイルスの生存が可能か否かは、明確なデータで示されてはいません。しかしながら、水を介して伝染性軟属腫ウイルスが感染するのではなく、水いぼの内容物に伝染性軟属腫ウイルスが含まれていて、水いぼが潰れたときに、伝染性軟属腫ウイルスが拡散され、伝染性軟属腫ウイルスに触れることで感染する可能性があると考えられています。プールで伝染性軟属腫ウイルスに感染したケースでは、水いぼが、ビート板や浮き輪などによく触れる部位である、わきや腕の内側にあらわれることが多いといわれています。

ですから、タオルやビート板、浮き輪などの直接肌に触れるものは、共同で使用しないことが、伝染性軟属腫ウイルスに感染するリスクを下げることにつながると考えられています。さらに、プールに入った後は、しっかりとシャワーで身体を洗い流すことで、伝染性軟属腫ウイルスの感染を予防できるといわれています。

自然治癒と治療、どの見解が正解?

水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスに感染すると、14日から50日程度の潜伏期間が経過するとあらわれると考えられています。水いぼがあらわれても、半年から数年程度経過すれば、免疫ができるので自然治癒するといわれています。そして、日本小児皮膚科学会や学校保健安全法などの見解で示されているとおり、水いぼがあらわれていても、プールに入ることは、禁止されていませんので、水いぼの治療は行わなくてもよいと考える方もいるでしょう。

しかしながら、ビート板や浮き輪などを共同で使用すると、伝染性軟属腫ウイルスに感染するおそれがあるといわれていますので、プールがある施設の管理者などの判断により、プールに入れないケースもあるとされています。そして、自然治癒するまでに、長い期間を要する可能性があるといわれています。ですから、プールに入る機会があるのならば、水いぼの治療を行うことをおすすめします。

水いぼに効果が高い治療法

水いぼの治療の基本とされているのは、水いぼを除去することです。水いぼを除去するために、一般的に行われている治療は、トラコーマ鑷子(せっし)と呼ばれる水いぼ専用の先端が輪になっているピンセットを使用する治療法といわれています。水いぼがあらわれている数が少ない間に、水いぼを除去すれば、水いぼが身体のさまざまな部位へ広がることを予防できるとされています。トラコーマ鑷子を使用する治療法以外には、電気焼灼法(でんきしょうしゃくほう)や液体窒素凍結療法などの外科的治療が有効と考えられています。

電気焼灼法は、水いぼを電気メスやレーザーなどで焼く治療法とされています。そして、液体窒素を水いぼにあてて、水いぼを壊死させるのが液体窒素凍結療法といわれています。トラコーマ鑷子を使用する治療法と電気焼灼法は、痛みを感じるとされています。対して、液体窒素凍結療法は、あまり痛みを感じないのですが、何度か治療を受けなければ水いぼを除去することができないことがあるといわれています。

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