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角質層の構造と機能について
角質層は、皮膚の表面に位置している皮膚組織です。角質ケアをはじめとしたスキンケアに関心がある人に、角質層がどのようなメカニズムでどのような働きをしているか、その役割と機能についてドクター監修の記事で解説します。
角質層が人の身体において、どのような役割を果たしているのかについて解説します。
表皮における角質層とは
角質層は角質細胞層または角層とも呼ばれ、表皮のもっとも外部に位置する、いわゆる皮膚の表面にあたる部分です。表皮は内側から順に1層の基底層(基底細胞層)、5層~10層の有棘層(有棘細胞層)、2層~3層の顆粒層(顆粒細胞層)、そして10層程度の角質層と多重の層構造になっており、これが1mmにも満たない厚さの中で構成されています。
角質層をはじめとした表皮はそのほとんどが角化細胞によってつくられており、もっとも真皮に近い内側の基底層で角化細胞が細胞分裂を起こしてのち、成熟していくにともなって徐々に外側へと移動していきます。有棘層、顆粒層は角化細胞の成長過程ともいえ、角質層となって一定期間が経過すると表面からはがれて脱落します。これを繰り返して表皮は新陳代謝をくりかえしており、細胞分裂から角質層となって脱落するまでの期間を特にターンオーバー期間と呼んでいます。
角質層はこのように角化細胞の成長の最終段階となっており、表皮部の外側で表皮や真皮をガードする位置になります。角質層の角化細胞は落ち葉を敷きつめたように幾重にも重なっていますが、特に体重のかかる足裏の部分では厚みが増すことも多く、外部からの圧力、刺激を保護する働きをもつといえます。
角質層のメカニズム
では、角質層はどのように構成されている組織であるかについてです。角質層の直前までの顆粒層までは角化細胞が集合した流動的な形体をしていますが、角質層に成長する段階でその形は大きく変化し、層状になります。扁平な形に変化した角化細胞はブロックのように並び、細胞膜も分厚く変化し、それが幾重にも積みあがって層となって角質層を形成します。細胞膜を分厚く補強する周辺体は物理的にも化学的にも外部刺激に対しても強く、また、幾重にも積みあがった層の隙間が角質細胞間脂質によって満たされることからも、角質層は非常に強固な構成で外部からの刺激をガードしているといえるでしょう。
また、この角質細胞間脂質はセラミドなどをはじめとした物質で構成され水分を保持する機能が高くなっています。これによって角質層は皮膚に水分を補給してうるおいを維持する働きも担うことになります。皮膚の表面は皮脂の分泌によって、皮膚の内部は角質層の水分保持機能によってそれぞれ乾燥を防いでおり、健康な皮膚を維持するためにも角質層の働きは欠かせないものとなります。
角質層の役割と機能
このように、角質層は体の表面を覆うバリアのような構造と働きをしており、外部からの刺激から体を保護する役割を持っていますが、このバリア機能は外部から内部への保護だけでなく内部の物質が外に出てしまうことも防いでおり、水分に対してもこれは働きます。水分は角質細胞間脂質によってブロックされ、この働きによって体内の水分が体外へ蒸発してしまうことを防いでいます。このブロック機能は、角質が存在しない場合24時間以内に水分の蒸発によって死に至るといわれるほど強力なものであり、外部刺激からの保護と並んで大変重要な役割でもあります。
水分保持の機能
これに加えて、角質細胞間脂質の水分を保持する機能によって皮膚の水分がコントロールされており、外部からの刺激と水分の蒸発のブロック、皮膚の水分量のコントロールの3つが角質層の果たしている大きな役割となります。
皮膚の炎症やアトピー性皮膚炎などによって角質層に異常が発生した場合や、ターンオーバーの乱れによって角質層の形成が不十分であった場合、その症状に比例してバリア機能、水分保持の機能が低下します。機能低下した角質層はザラザラとした手触りとなり、透明感を失った色合いとなるなど外面的な変化もありますが、大気にさらされることで水分を失ってしまうので柔軟性を失い硬く脆くなってしまいます。これによって体の動きによるひび割れが発生する場合もあり、正常に角質層が形成されることが皮膚を美しく健康に保つために重要なことであるといえます。
皮膚の疾患以外にも、皮脂の分泌が低下した高齢者や冬季などの大気が乾燥する時期などには角質の乾燥症状が起こることが多く、とくに角質層の薄い顔が乾燥状態で露出し続けた場合などはそれによってバリア機能、水分保持の機能が低下するなど皮膚の炎症のような症状が出ることもあります。極端な環境の変化にさらさないことも十分意識するべきですが、日常的なケアによって角質機能を保護することも重要です。
一般的に皮膚疾患などで機能が低下している角質層では、水分が不足していることが症状の連鎖になっている場合が多くなります。継続的な保湿ケアは角質層のみでなく表皮全体に改善の影響を与えるという報告もあり、ターンオーバー期間を超えて効果が継続するとされています。角質層が果たしている大きな役割を守るために、日常的なケアはたいへん有効な対策といえるでしょう。
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