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女性の薄毛におすすめの育毛シャンプーの選び方と抜け毛対策

更新日:2018.01.17
公開日:2017.12.20
ドクター画像
この記事の監修者
スキンクリニック藤枝 小野 健太郎

女性ホルモンが減少する30代以降の女性はもちろん、最近は20代女性の間でも、薄毛や抜け毛、髪の細りに悩む人が増えてきています。ここではドクター監修のもと、女性用育毛シャンプーの種類や選び方、正しい髪のケアなどをご紹介します。

男性ばかりでなく、女性もひそかに悩んでいる薄毛や抜け毛。女性の場合は加齢によって女性ホルモンが減少する30代ごろから、髪のハリやコシが失われたり、薄毛や脱毛が起こりやすくなったりします。しかし、最近は20代でも悩みを訴える人が増えてきています。

女性の多い薄毛・抜け毛の原因や、薄毛対策としての育毛シャンプーの選び方と正しいシャンプー方法、そのほかの抜け毛対策などについてご紹介します。

髪の毛に関して多い女性の悩みとは

女性の薄毛・抜け毛は、男性に多いAGA(男性型脱毛症)とは発症のメカニズムが異なります。女性に多い髪の悩みとして、以下のような特徴を上げる人が多くいます。

  • 髪のボリュームが全体的に減ってきた
  • 地肌が透けて見えるようになってきた
  • 分け目やつむじが目立つようになってきた
  • 髪にコシがなくなり、細くなってきた

男性のように部分的な脱毛ではなく、頭部全体が薄くなってきたり、髪の分け目がはっきり目立つようになってきたり・・・という薄毛・抜け毛は、「びまん性脱毛症」といわれています。閉経が近づき、女性ホルモンが急速に減少する40代後半以降に起こりやすい「FAGA(女性男性型脱毛症)」もまた、このびまん性脱毛症の一種です。

女性の薄毛・抜け毛の原因

女性に多いびまん性脱毛症が起こる原因としては、以下のようなことがあげられます。どれかひとつではなく、複数の原因が複雑に絡み合って発症することもあります。

加齢
女性ホルモンの一種であるエストロゲンには、毛髪を育てる働きがあります。しかし、加齢によってこのエストロゲンが減少すると、脱毛が起こりやすくなるのです。頭皮のうるおいを保つ働きを担っているコラーゲンや皮脂の減少も、抜け毛に拍車をかけると考えられます。
出産や経口避妊薬(ピル)の服用
妊娠・出産によってホルモンバランスが変化すると、出産後に脱毛症状を起こすことがあります。これは「分娩後脱毛症」と呼ばれ、一時的なものです。また、経口避妊薬(ピル)の服用によってもホルモンバランスは変化します。
ストレス
ストレスによってホルモンバランスや自律神経のバランスが乱れることがあります。また、ストレス性の血管収縮によって毛髪に十分な栄養がいき渡らず、毛髪が育たないこともあります。
ダイエットや食生活の乱れ
過度なダイエットにより毛髪に必要な栄養が足りなくなると、脱毛につながります。また、ファストフードや肉類などの動物性脂肪の多い食べ物は血液中の脂肪を増やし、質の悪い血管や血液を作る一因となり、頭皮の血行不良につながります。
間違ったヘアケア
洗浄力の強すぎるシャンプーを使ったり、一日に何度も洗髪したりすると、頭皮に必要な皮脂までも洗い流してしまい、頭皮トラブルを起こしやすくなります。また、すすぎを十分に行っていないことも頭皮トラブルの原因となりますので、適切なケアを心がけましょう。

女性の抜け毛が悪化する年齢

上記で見てきたとおり、女性に多いびまん性脱毛症はホルモンバランスの乱れや、毛髪に必要な栄養が行き渡らないことで起こりやすくなります。そのため、加齢による薄毛・抜け毛は女性ホルモンの分泌が低下する30代から始まることがほとんどです。

20代の抜け毛・薄毛も増えている

しかし、近年は20代でもひどい抜け毛に悩まされる人が少なくありません。その背景には、過度なダイエットや不規則な生活、ストレス、動物性脂肪の多い欧米化した食生活などが原因として考えられます。

女性の薄毛に効果のあるシャンプーとは?

薄毛・抜け毛が気になるときは、シャンプーを変えてみるのもおすすめです。薬局やドラッグストアに行くと、さまざまな種類や価格帯のシャンプーが売られていますが、どれを選べばよいのでしょうか。まずは主な種類をおさらいしてみましょう。

洗浄成分で違うシャンプー

高級アルコール系シャンプー
石油や動物性油脂などから作られる合成の界面活性剤が使われているシャンプーです。ドラッグストアなどで売られているシャンプーはほとんどがこのタイプで、洗浄力が強めです。
石けん系シャンプー
固形石けんと同じ界面活性剤が使用されています。洗浄力はやや高く、頭皮がアルカリ性に傾くため、酸性のリンスなどで中和させる必要があります。
アミノ酸系シャンプー
アミノ酸から作られた合成界面活性剤を使用しているタイプで、洗浄力は低めで、頭皮への刺激もマイルドです。

目的で違うシャンプー

ノンシリコンシャンプー
多くのシャンプーには髪をコーティングしてなめらかな手触りに仕上げる「シリコン」が入っていますが、ノンシリコンシャンプーには使用されていません。ノンシリコンシャンプーは一時期、「シリコンは毛穴をふさいで発毛を妨げる」と問題視されましたが、最近ではシリコンにはそうした問題がないことが立証されています。
スカルプシャンプー
頭皮を意味する「スカルプ(scalp)」の名の通り、頭皮ケアに重点を置いたシャンプーです。アミノ酸系のマイルドな洗浄成分(界面活性剤)を使っていることが多く、頭皮の脂を落としすぎないことで頭皮の環境を整え、発毛・育毛をサポートします。

育毛シャンプーとは?どのような効果があるの?

育毛シャンプーというと、まるで洗うだけで育毛効果があるかのように捉えられがちですが、実際のところシャンプーにそこまでの効果はありません。基本的に、発毛や育毛につながる有効成分などは配合されていません。つまり、育毛シャンプーとは毛髪の成長を促す成分などが配合された「育毛剤」とは違うものであることを理解して使うことが大切です。

ただし、すこやかな髪を育てるには、清潔な頭皮環境が欠かせません。頭皮が乾燥していたり、余分な皮脂がべったりとこびりついていたりしては、発毛もスムーズには進まないのです。

  • 頭皮のうるおいをキープし、頭皮環境を良好に保つ
  • 頭皮の毛穴の汚れをすっきりと洗い流す

育毛シャンプーはそれ自体で発毛を促すのではなく、上記のような働きで発毛・育毛をサポートする目的で用いられます。

髪の毛が一番抜けやすいのはシャンプーをするとき

健康な人でも、髪の毛は1日あたり50~100本ほど抜け落ちます。季節の変わり目に抜け毛が増えることもありますが、そのほとんどが洗髪時に抜けるといわれています。

先にご紹介したとおり、育毛シャンプーだけで発毛を促すのは難しいのが現状ですが、頭皮環境を理想的な状態に近づけるためにも、適切なシャンプーを選び、正しい洗髪方法でケアすることは欠かせません。以下では、育毛シャンプーの正しい選び方についてご紹介します。

育毛シャンプーの正しい選び方

では、女性の薄毛・抜け毛対策に効果の高い育毛シャンプーの選び方を見ていきましょう。

洗浄成分がやさしいかどうか

これまで見てきたとおり、頭皮環境を整えるには「洗浄力のやさしさ」が大切です。

毛穴をすっきり洗い上げるためにも、「洗浄力は高いほうがいい」と思う人もいるかもしれません。しかし、洗浄力が高いシャンプーは、頭皮を紫外線や乾燥といった外的ダメージから守るために欠かせない皮脂までも洗い流してしまうおそれがあります。また、洗いすぎて頭皮の乾燥が進むと、皮脂が過剰に分泌され、ベタベタとした頭皮環境になってしまうこともあります。

頭皮の乾燥を防ぐためにも、シャンプーはアミノ酸系の界面活性剤を配合したものなど、必要な皮脂は残してマイルドに洗い上げるものを選びましょう。

配合成分や仕上がりで選ぶ

育毛シャンプーのなかには、薬用成分や保湿成分を配合した育毛シャンプーというものもあります。もしも、薄毛のほかに、頭皮のにおいやベタつき、フケ・かゆみなども気になるのであれば、そうしたタイプのシャンプーを選ぶのもひとつの方法です。

髪にハリやコシ、ボリュームを出すタイプの育毛シャンプーもあります。薄毛が気になる女性には、うれしい機能のひとつでしょう。また、植物エキスやオーガニック成分を配合した育毛シャンプーなども、髪や頭皮に刺激が少なく、多くの女性に人気です。

価格も大切

また、シャンプーはほぼ毎日使うものですから、価格やコスパといった面も大切です。ずっと使い続けられる価格であるかも考慮して選びましょう。

薄毛・抜け毛の悩みでクリニックや病院に通っているのであれば、ドクターにおすすめを聞いてみる方法もあります。

正しい洗髪方法とケア

抜け毛を最小限にとどめ、頭皮環境を健全に保つためにも正しいシャンプー方法をマスターしましょう。以下の手順で行います。

  1. シャンプー前の乾いた髪をブラッシングし、毛の絡みをほぐして余分なほこり・フケを落としておく
  2. まずはぬるま湯だけで、指の腹を使って地肌を予洗いする
  3. シャンプーは手のひらであらかじめ泡立ててから髪になじませ、頭皮を揉みだすようにやさしく洗う
  4. たっぷりのぬるま湯で丁寧にすすぐ。すすぎ残しがないように気をつける
  5. 清潔なタオルで押さえるようにして水気を拭き取り、ドライヤーで手早く乾燥させる

シャンプー前にブラッシングすることで、絡んだ毛をほどいたり、切れ毛・枝毛を防いだりすることができます。また、最初に髪や頭皮を濡らすことで、シャンプーの泡がすみずみまでいきわたります。

洗うときは爪を立てず、指の腹で地肌をマッサージするように洗いましょう。生え際や耳の後ろ、頭の後ろなども忘れずに洗いましょう。

すすぐときは皮脂を取りすぎないためにぬるま湯を使いましょう。シャンプーの成分が肌に残ったままだと肌荒れを起こすことがありますので、時間をかけてきれいにすすいでください。

髪や頭皮が濡れたままだと雑菌が繁殖し、フケ・かゆみの原因になることがあります。タオルドライ後は、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。また、シャンプー後のブラッシングは髪が十分に乾いてから行いましょう。

頭皮と髪を守る抜け毛対策

薄毛・抜け毛を改善するには、生活習慣を見直すことも大切です。

栄養バランスのとれた食事を心がける
ヘアサイクルを正常に機能させるためにも、日頃から栄養バランスのよい食事を心がけましょう。髪の健康に欠かせないミネラルやビタミン、女性ホルモンと似た働きのイソフラボンを多く含む大豆食品などを意識して摂るとよいでしょう。また、不足しがちな栄養素はサプリメントで補うという方法もあります。
睡眠の量や質を改善する
発毛を促すためにも、睡眠中に分泌される成長ホルモンに着目しましょう。成長ホルモンは睡眠後30分から1時間後のノンレム睡眠(深い眠り)の時に多く分泌されます。寝る前は部屋の照明を暗くする、スマホの画面を見続けないなど、ぐっすりと眠れる環境を整えることも大切です。
ストレスコントロール
ストレスを溜め込まないことも大切です。適度に身体を動かすストレッチ、ヨガなどをとり入れる、好きな趣味に没頭するなど、自分に合ったストレス発散法を見つけましょう。
ヘアケアにも工夫を
おしゃれするうえで切り離せないものとしてパーマやカラーリング、白髪染めなどがあげられますが、使う溶剤が髪や頭皮を傷めてしまうおそれがあります。美容師と相談して、できるだけ髪や頭皮にやさしいものに変えてもらうなど工夫をしましょう。

女性用の育毛剤とおすすめ成分

毎日のヘアケアに育毛剤をとり入れるのもよいでしょう。以下のような成分を配合した育毛剤で、頭皮マッサージを行うのもおすすめです。

センブリエキス
血行を促進し、毛母細胞の働きを活性化します。
グリチルリチン酸2K
抗炎症作用でフケ・かゆみを抑えます。
ヒオウギエキス
薄毛の原因となる男性ホルモンを抑制します。
オランダカラシエキス
頭皮の乾燥を防ぎます。

まとめ

女性の薄毛の悩みや原因、おすすめのシャンプーと正しい洗髪方法などをご紹介しました。女性の薄毛は、「全体的にボリュームがなくなってきた」「髪のハリ・コシがなくなり、1本1本が細くなってきた」「分け目が目立つようになった」など、共通の特徴があります。これらは「びまん性脱毛症」といわれるもので、

  • 加齢
  • 出産
  • ストレス
  • 過度なダイエット
  • 食生活の乱れ
  • 間違ったヘアケア

などによって引き起こされ、20代から気になる女性もいるほどです。

女性の薄毛・抜け毛を改善するには、生活習慣や栄養バランスを見直すとともに、髪や頭皮にやさしい育毛シャンプーを選び、正しいシャンプー方法で頭皮環境を清潔に保つことも大切です。髪や頭皮をやさしくいたわりながら、ツヤのある美しい髪の毛を取り戻しましょう。

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