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ノンシリコンシャンプーは白髪によいの?白髪の予防・対策

更新日:2018.07.24
公開日:2018.07.24
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この記事の監修者
Ema鍼灸マッサージ治療院 院長 江波恵

見た目年齢を左右する白髪。染めたり抜いたりと対策している方は多いと思いますが、そのほかに白髪の予防や対策に役立つことはあるのでしょうか。ここでは、髪によいといわれることの多いノンシリコンシャンプーと白髪について解説します。

髪の毛にチラホラと混じり始める白髪に、「もうトシなのかしら…」と感じる方が増えてくる30代・40代。ケア方法を見直そうとシャンプー剤を変えようと思う人は多いのではないでしょうか。また、話題のノンシリコンシャンプーなら白髪にも良さそう!と思う人もいるかもしれません。

はたして、見た目年齢に大きく影響する白髪はノンシリコンシャンプーで対策できるのでしょうか。

ノンシリコンシャンプーが髪によいとは限らない

ちまたでは、少し前に「ノンシリコンシャンプー」を打ち出したシャンプーが多く見られました。その影響か、「シリコンは頭皮や髪に悪いもの」というイメージをなんとなくお持ちの方もいるのではないでしょうか。

シリコンの役割

シリコンは、髪の毛をコーティングし、髪の表面を摩擦などの刺激から守るのが一番の役割です。髪の表面にはキューティクルという薄いうろこ状の組織があります。このキューティクルは、髪の内部組織を摩擦などの刺激から守るとともに、髪の毛の内側から水分やタンパク質が流れ出すのを防いでいます。髪の毛のツヤが出るのも、キューティクルが整っているためです。

しかし、キューティクルは摩擦などの刺激を受けるとはがれやすく一度はがれたら元には戻りません。そのため、シリコンで髪の毛をコーティングすることでキューティクルを保護し、よりなめらかな髪を実現しているのです。

このほか、シリコンにはドライヤーやヘアアイロンの熱からキューティクルを守る作用も期待できます。

髪の毛を守るさまざまな役割があるシリコンですが、なぜワルモノ扱いされているのでしょうか。

シリコンは頭皮に悪い?

シリコンには「頭皮の毛穴につまって髪の毛や頭皮に悪い影響を与える」といわれている時期がありました。そのため、シリコンが配合されていないノンシリコンシャンプーが市場に増えたと考えられます。

しかし、シリコンが頭皮の毛穴につまるということについては、もともと医学的根拠がない推論です。また、最近ではシリコンが頭皮の毛穴をつまらせることはないという実験結果も発表されています。

シリコン配合であろうと、ノンシリコンであろうと、頭皮にすすぎ残しがあればそれが炎症などの頭皮トラブルの原因になる可能性があります。しかし、シリコン自体が悪い影響を与える可能性は極めて少ないでしょう。

ノンシリコンシャンプーを選ぶべき人は?

シリコンは洗い上がりにツヤが出る半面、重さが出やすいのも特徴です。そのため、軽い仕上がりを好む場合はノンシリコンシャンプーがよいでしょう。

しかし、髪の毛のダメージが多く切れ毛や枝毛が気になる方や、コテで毎日スタイリングする方、パーマやカラーを頻繁に行う方は髪の毛が傷んでいる可能性が高いため、シリコンが配合されたシャンプーを選んだほうがよいでしょう。

では、白髪が気になる人にノンシリコンシャンプーは効果的なのでしょうか。

白髪の原因とは

白髪の原因として、加齢や遺伝はパッと思い浮かぶ方が多いでしょう。また、「たくさん苦労をしたら白髪が増えた…」などといわれるように、白髪の原因としてストレスを思い浮かべる方も多いかもしれません。

たしかにこれらも白髪の原因として考えられますが、白髪を引き起こす根本的な原因については、はっきりとわかってはいません。傾向として以下のようなことも関連していると考えられています。

  • 加齢
  • 遺伝
  • 睡眠不足
  • 栄養バランスの乱れ
  • 頭皮の乾燥や血行不良 など

白髪は、髪の毛に色をつける色素メラニンを生成する力が衰えることでできます。このメラニンを生成するメラノサイトは非常にデリケートで、材料となる栄養が不足していたり、その栄養を運ぶ血液の流れが滞っていたり、頭皮環境が悪化していたりといったさまざまな要因でメラニンと作るはたらきが衰えるといわれています。

加齢や遺伝による白髪の改善は難しいとされています。しかし、栄養や睡眠、頭皮環境による一時的な白髪であれば、生活の中で工夫することで改善・予防がある程度可能かもしれません。

では、白髪の原因の中でノンシリコンシャンプーによって改善できそうなポイントはあるのでしょうか。

白髪対策にシャンプーでできること

シャンプーでアプローチできそうな白髪の原因として、頭皮の乾燥などの頭皮環境があげられます。しかし、ノンシリコンシャンプー自体が白髪改善や予防に効果があるとは言えません。

ノンシリコンシャンプーは、前述したとおり髪の毛をコーティングするシリコンが配合されていません。しかし、シリコンが頭皮環境を悪化させるというのは事実ではないことが確認されつつあることから、シリコンが配合されていても頭皮環境への影響はないのです。

白髪対策に選びたいのはアミノ酸系シャンプー

白髪対策のためにシャンプーを変えるならば、ノンシリコンかどうかより洗浄成分の種類や保湿成分に着目します。

洗浄成分にアミノ酸系の界面活性剤を使用しているシャンプーは、一般にアミノ酸系シャンプーと呼ばれています。シャンプーの洗浄成分は、大きく3つの種類に分けられます。

  • アミノ酸系
  • 高級アルコール系
  • 石けん系

この3つのうち、比較的洗浄力が弱いのがアミノ酸系の洗浄成分です。洗浄力が弱いと汚れがしっかり落ちないのではないか、と思うかもしれませんが、強すぎる洗浄力のシャンプーは本来頭皮の保湿に必要な皮脂まで取り去ってしまい、頭皮を乾燥させる一因になります。

高級アルコールの洗浄成分の中にも比較的洗浄力がマイルドなものはありますが、一般的には洗浄力が比較的強めのものが多く見られます。また、肌にやさしいイメージがある石けんも、実は肌と反対の弱アルカリ性で、皮脂を取り去る力も強い洗浄成分です。

アミノ酸系の洗浄成分は肌と同じ弱酸性で、洗浄効果も比較的弱いものが多め。しかし、それでも洗い方さえしっかりおさえれば、毎日の髪の毛や頭皮の汚れを落とすのには十分だといわれています。

アミノ酸系シャンプーをはじめとした頭皮にやさしいシャンプーの選び方は『アミノ酸シャンプーの成分と正しい選び方』でくわしく述べています。シャンプー選びの参考にしてみてください。

そのほか白髪の予防方法

シャンプー選びのほかに白髪を予防するために自分でできることとして、以下の2点があげられます。

  • 睡眠不足の解消
  • 栄養バランスの見直し

それぞれ簡単に解説します。

睡眠不足の解消

生活リズムを整え、睡眠不足を解消することは、髪の毛や頭皮だけでなく全身の健康に重要なことです。睡眠中は成長ホルモンが分泌される時間。成長ホルモンには、日中に身体が受けたダメージを修復する作用があるといわれているのです。

以前は、成長ホルモンは22時から午前2時の4時間の間に多く分泌されると考えられていました。そのため、この時間帯は「お肌のゴールデンタイム」などと呼ばれ、この時間帯に寝ていることが美容によいといわれていました。

しかし、現在ではこれは正しい情報ではなく、就寝してから最初のノンレム睡眠でもっとも多く成長ホルモンが分泌されるというのが正しいと考えられています。就寝中はノンレム睡眠とレム睡眠がくりかえされますが、その中でもっとも多く成長ホルモンが分泌されるのが最初のノンレム睡眠時なのです。

睡眠のサイクルは、平均すると90分です。そのため、最低でも眠りばなから90分ほどはしっかりと熟睡できる環境が大切です。また、日中に強い眠気を感じたりするようであれば、熟睡できる環境を整えるとともに睡眠時間自体も見直してみてください。

栄養バランスの見直し

白髪の原因として栄養バランスの乱れもあるというのは前述したとおりです。では、具体的にどのような栄養をとることを心がけるとよいのでしょうか。

メラニンの原料は、チロシンというアミノ酸から作られるといわれています。そのため、チロシンを含む食べ物はとりたいところです。また、チロシンが体内ではたらくために必要な銅ミネラル、メラニン色素を作り出すために必要といわれるヨウ素(ヨード)も適度にとりたい栄養素です。

チロシンと銅ミネラルの両方を含む食品として、納豆や豆腐といった大豆製品があげられます。また、ヨウ素はひじきなどの海藻類や、さばやかつおといった魚介類に多く含まれています。

ただし、どの栄養もとりすぎはよくありません。「あまり魚や海藻を食べていないかも」「大豆はあまり食べていないなぁ」と、普段あまり食べていないように感じたら、少し積極的にその食品をとり入れてみてください。

白髪が増えてきたときの対策

白髪を増やさないために前述した頭皮の乾燥対策や睡眠不足の解消、栄養バランスの見直しなどを続けることは大切です。それでも白髪が増えてくることもあるでしょう。

遺伝や加齢も関係することから、白髪を完全に防ぐことはできません。また、残念ながら遺伝などの要因でできた白髪は、現状では元の色には戻らないといわれています。

白髪の本数が少なければ、根元を切るのがよいといわれています。白髪を無理に抜く方も多いかもしれませんが、白髪を抜いたとしても次に生えてくる髪の毛も白髪であるうえに、周辺の頭皮を傷つけて炎症の原因になりかねません。そのため、1~2本であれば抜かずに根元から切って目立たなくするのがよいでしょう。

また、本数が増えてきた場合は白髪染めやヘアカラーなどで見た目を変えるのがおすすめです。

まとめ

ノンシリコンシャンプーが白髪対策によい、とは言いがたい面があります。しかし、頭皮の乾燥が気になり、軽い洗い上がりが好みの方であれば、ノンシリコンでアミノ酸系の洗浄成分を配合したシャンプーというのはよい選択かもしれません。

しかし、シャンプー選びはノンシリコンかどうかにこだわるより、配合されている洗浄成分をチェックして選んだほうがよいでしょう。頭皮の乾燥が気になる場合は、アミノ酸系のシャンプーを試してみてください。

また、栄養バランスのよい食事や睡眠をしっかりとることも大切です。

白髪の予防や対策に自分でできることは、頭皮や身体の健康にもつながるポイントが多くあります。日ごろから少しずつ心がけて、長く続けるようにしてみてください。

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