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リンスインシャンプーでフケが出るのはなぜ?原因と対策

更新日:2018.07.24
公開日:2018.07.24
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この記事の監修者
Ema鍼灸マッサージ治療院 院長 江波恵

手軽なリンスインシャンプーを愛用していて、フケがひどくなったという声が見られるようです。リンスインシャンプーは、本当にフケの発生に関係しているのでしょうか。フケの原因やリンスインシャンプーの特徴から、対策を解説します。

リンスインシャンプーは、1回でシャンプーとリンスのケアができるため、お風呂の時間を短縮できるうえにお湯も節約できる便利アイテム。ですが、そのリンスインシャンプーを使い始めてから、フケが出るようになったという方もいるようです。

なぜリンスインシャンプーでフケが出る?

リンスインシャンプーを使用していてフケが目立つようになった場合、主に2つの原因が考えられます。

  • 洗い方が間違っている
  • リンスインシャンプーが頭皮に合っていない

リンスインシャンプーの特徴やフケのそもそもの原因を確認し、フケを改善するための具体的なアプローチ方法をチェックしましょう。

リンスインシャンプーとは?特徴や効果

リンスインシャンプーとは、文字通りシャンプーとリンスが混じったヘアケアアイテムです。1990年代前半頃に登場し、今では非常に少なくなっていますが、販売され続けています。

リンスインシャンプーには、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

メリット

リンスインシャンプーは、普通のシャンプーと比べて頭皮や髪の毛に対するメリットがあるとは言えません。メリットを感じられるのは、以下のようなことと言えるでしょう。

  • すすぎが1回で済むのでお湯を節約できる
  • 旅行や出張のときに持参しても荷物がかさばらない

逆に、頭皮にはデメリットに感じられる部分もあります。

デメリット

リンスインシャンプーのデメリットとして、以下があげられます。

  • 両方の効果が十分に発揮されない
  • 頭皮のベタつきにつながる場合がある

通常であれば、シャンプーで洗浄した後、リンスやコンディショナーをつけることで毛髪をコーティングしてケアすることになります。しかし、リンスインシャンプーではシャンプーで洗浄するのと同時にリンスの成分が毛髪に付着します。そのため、シャンプーとリンスの効果が両方とも中途半端になってしまいます。リンスに期待されるダメージをケアする効果も期待できないため、ダメージヘアの気になる方には向かないと言えるでしょう。

しかも、シャンプーとして頭皮を洗うので、本来であれば頭皮になじませないリンスの成分が頭皮にも付着していることになります。特に頭皮の脂っぽさが気になる人にとっては、頭皮にリンスがつくことでベタつきが増すことになります。

リンスインシャンプーは、利便性はあるものの頭皮や髪の毛への効果という面ではあまりおすすめできないヘアケアアイテムなのです。

では、リンスインシャンプーはフケの原因となるのでしょうか。頭皮にフケが出る原因を見ていきましょう。

頭皮のフケとは?種類と原因

フケは2種類あり、それぞれ原因と考えられることが異なります。

乾燥性フケ(乾性フケ)

乾燥性フケとは、パラパラと細かく乾燥したフケのことです。頭皮や髪の毛をブラッシングしたときに、白く細かいフケが舞い落ちることがありますが、これが乾燥性フケです。

乾燥性フケは、読んで字のごとく頭皮の乾燥が原因となっています。頭皮も皮膚なので、頭皮が乾燥状態になると角質層が乱れ、成長しきっていない角質細胞がはがれやすくなります。このようにはがれた角質細胞が、細かなフケとなって舞い落ちるのです。

頭皮の乾燥を招く要因はいくつか考えられます。以下が代表的な乾燥性フケの原因です。

  • シャンプー方法の間違い
  • 強すぎるシャンプー剤
  • シャンプー剤によるアレルギー
  • パーマやヘアカラーによるダメージ など

脂性フケ

一方、ベタベタと脂っぽく、大きな塊が頭皮や髪の毛に付着している状態は脂性フケです。脂性フケの原因としては、以下のようなことが考えられます。

  • 皮脂をシャンプーで落としきれていない
  • シャンプー剤に含まれた成分によるアレルギー
  • 皮脂の過剰分泌
  • シャンプー後に乾かさずに放置すること

この中でも、特に気をつけたいのが皮脂の過剰分泌です。皮脂は、油っぽい食事や糖質が多い食事が続くと活発に分泌される傾向があります。また、ビタミンB群や亜鉛が少ない食生活やストレス、ホルモンバランスの乱れなども皮脂分泌が必要以上に活発化する原因になります。

脂性フケは、頭皮に残っている古い皮脂をエサにマラセチア菌という常在菌が増殖し、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)という皮膚病になったときに起きることの多い症状です。古い皮脂を取り除くこと、皮脂の分泌が多すぎる状態を改善すること、頭皮や髪の毛が湿った状態を放置しないことが重要になります。

乾燥性フケと脂性フケの両方に共通しているのが、なんらかのシャンプー方法の間違いです。では、正しいシャンプー方法とはどのようなものなのでしょうか。

フケを防ぐ正しいシャンプー方法

フケを防ぐシャンプー方法とは、「正しいシャンプー方法」と同じです。シャンプーの効果を引き出し、頭皮を清潔に保つためにぜひ身につけたい方法です。

まず、シャンプーは整髪料などが落ちない場合を除き、1日1回で十分です。正しい洗い方をすれば、1日1回でも十分皮脂や汚れを落とせるといわれています。

少し項目が多くなりますが、実際にこの方法でシャンプーするところをイメージしてみてください。

正しいシャンプーの手順(洗髪方法)

まずは、洗髪のはじめからシャンプーを洗い流すところまでのケアです。

  1. 髪を洗う前にブラシで髪をとかす(毛髪に付着したホコリなどを落とす)
  2. 38℃くらいのぬるま湯で、頭皮と髪の毛全体を予洗いする(1分くらい)
  3. シャンプー剤を1プッシュ程度手にとって泡立てる
  4. 指先を髪の間に入れ、頭皮にシャンプー剤をなじませていく
  5. 指の腹を使って頭皮をやさしくマッサージするように洗う
  6. シャンプー剤が足りなければ、もう一度泡立てて頭皮になじませる
  7. 髪の毛を手ぐしでとかすようにして、泡を髪の毛全体になじませる
  8. ぬるま湯で、頭皮と髪の毛をしっかりすすぐ(2分くらい)

ポイントは、ぬるま湯で洗うこととシャンプーを泡立ててから頭皮になじませること、爪を立てずやさしく頭皮を洗うことです。これらは、頭皮へのダメージを少なくしながら洗うのに役立ちます。

コンディショナーを使う場合は、髪の毛先をメインにつけ、頭皮にはつけないように気をつけましょう。このとき、コンディショナーが頭皮に付着していることも考えられるので、十分にすすぎましょう。

髪の乾かし方

髪を洗い終わったら、タオルドライとドライヤーによる乾燥です。

  1. 頭皮をやさしくもむようにタオルをあてる
  2. 髪の毛先までをポンポンとタオルではさみ、水分を取り去る
  3. ドライヤーを髪から10~20cmくらい離しながら全体を乾かす

頭皮の水分をとるときも、ゴシゴシとこすらずやさしくマッサージするように取り去るのがポイントです。

髪を洗った後、ドライヤーの熱で髪が傷むのが気になるために自然乾燥に任せる方もいるようですが、これは間違いです。タオルドライをしたあとは、すみやかにドライヤーで髪を乾かしましょう。

このような正しい洗い方をリンスインシャンプーで行ってもフケが改善しない場合、シャンプー剤が合っていない可能性が考えられます。

フケを防ぐシャンプーの選び方

フケを防ぐには、自分の頭皮の状態や体質に合ったシャンプーを選ぶことがポイントです。リンスインタイプのシャンプーをやめ、別々になっているものを選びましょう。

最終的に自分に合うかどうかは使ってみなければわかりませんが、フケのタイプによっておすすめのシャンプーが異なります。

乾燥性フケの場合

乾燥性フケが気になる場合、シャンプー剤の洗浄力が強すぎたり、アレルギーを起こして皮膚の炎症が発生している可能性が考えられます。そのため、洗浄力が比較的弱く、皮膚への刺激も少ないシャンプーがよいでしょう。

シャンプーの洗浄力は、配合されている界面活性剤の種類と量が大きく関係します。配合量を明確に知ることは難しいものの、主に使用されている界面活性剤の種類であれば、シャンプーボトルの成分表示を見ればわかります。

ボトルの裏面を見ると、成分としてさまざまな薬品などの名前が記載されています。これは、そのシャンプーに配合されている全成分を表記している成分表示です。1%以上配合されている成分は、すべて多いものから順番に記載されています。つまり、成分表示の最初のほうに記載されている界面活性剤が、そのシャンプーで多く使われている界面活性剤となるのです。

成分表示の前から5,6番目あたりまでを見たときに、グリシン、アラニン、グルタミン酸などが名前についている成分が多ければ、比較的洗浄力の弱いアミノ酸系の界面活性剤を使ったシャンプーと考えられます。

リンスインシャンプーを使っていて乾燥性フケが気になる場合は、こういったアミノ酸系シャンプーを使ってみてください。

脂性フケの場合

ベタベタとした脂性フケが出ている場合、頭皮の皮脂が多い状態が考えられます。脱脂力が強く、皮膚への刺激が比較的やさしいとされる石けん系のシャンプーを試してみるとよいかもしれません。また、前述したアミノ酸系のシャンプーでも、正しい方法でしっかり洗えば、頭皮環境の改善に役立つともいわれています。

かゆみや赤みなどもある場合、マラセチア菌が異常繁殖している可能性も考えられます。このような場合は、抗菌・抗炎症作用のある成分が配合された薬用シャンプーを試してみるのもよいでしょう。

そのほかのフケ対策

リンスインシャンプーをやめて、フケの状態に合わせたシャンプーを選んだり、シャンプー方法を見直したりするほかに、フケ対策のために気をつけたいポイントがあります。

食事の見直し

ファストフードや肉、コンビニのスイーツなど、油っぽいものや甘いものが好きな方は、食事を見直してみたほうがよいかもしれません。皮脂の分泌量が乱れている可能性が考えられます。

できれば、1日の食事の内容をメモして見直してみてください。甘いもの、油っぽいもの、辛いものが多いようであれば、お菓子をローカロリーのものに置き換えたり、ファストフードをやめて自炊するなど、できるだけバランスをとる工夫をしましょう。

ただし、肉などに含まれるタンパク質は、肌や髪の毛を健康に保つうえでも重要な栄養素です。やみくもに肉をやめて野菜だけにするのではなく、赤身の肉を選ぶようにしたり、脂肪の少ないカツオやウナギ、植物性タンパク質の豆腐や納豆などをとり入れるとよいでしょう。

お酒を控える

お酒は、肝臓で分解される過程でビタミンB群を消費します。ビタミンB群は糖質や脂質、タンパク質の代謝にかかわる栄養で、不足すると皮脂が過剰になったりする要因にもなります。お酒はほどほどにしましょう。

喫煙を控える

「タバコがフケに関係あるの?」と思われるかもしれませんが、実は頭皮に悪い影響を与えます。タバコを吸うと毛細血管が収縮し、血行が悪くなります。そのため、頭皮にしっかりと栄養が届きにくくなり、頭皮の健康を損なうといわれているのです。

タバコはフケのみならず、さまざまな病気に関係するといわれています。これを機会に、禁煙を検討してみましょう。

フケが治まらないときは病院へ

乾燥性フケと脂性フケ、いずれの場合も2週間ほどセルフケアを試してもフケが改善しなかったり、フケが増えたりする可能性もあります。このような場合には、セルフケアだけで何とかしようとがんばらず、専門家の知恵を借りることも重要です。皮膚科を受診してください。

特に、脂性フケが大量に出る脂漏性皮膚炎は放置すると慢性化します。脂漏性皮膚炎が抜け毛につながる可能性も指摘されているため、早めの対処が肝心です。

まとめ

リンスインシャンプーでフケが出る原因として考えられるのは、以下の点であることを解説しました。

  • シャンプー方法が間違っている(1日に何度も洗う、熱いお湯で洗うなど)
  • シャンプー剤が合わない(洗浄力が強すぎる、弱すぎる、アレルギーを起こしているなど)

フケの原因はさまざまですが、もし髪の洗い方を正しいものに変えてもフケが改善しない場合は、シャンプー剤を変えて様子を見てみましょう。

リンスインシャンプーは、頭皮にもリンスの成分が付着するため、頭皮環境にあまりよい影響はないと言えます。シャンプーを変えるときには、シャンプーとリンスが別々になったもので、自分のフケの状態に合った製品を選びましょう。また、2週間ほどシャンプーと洗い方を変えて様子を見てもフケが改善しない場合は、早めに皮膚科で相談してください。

リンスインシャンプーにこだわらず、頭皮に合ったシャンプーですこやかな環境を整えましょう。

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